「こぶしパンチ」にメロメロ

 10日以上遅くなったけど、『ハートキャッチプリキュア!』最終話の話題。

 いやあ、良かった!

 ここ数週、

「ここは俺にまかせて先に行け」

 とか、

「仮面の悪役、実は生き別れの父」

 とか、

「死の直前に改心する悪役」

 とか、

「愛する者をかばって爆死」

 とか、

「主人公側のキャラ、怒りで暴走しかける」

 とか、

 ものすごい王道展開の連続を見せられて、快感に浸ってたのですよ。

 やっぱり王道はいいよね。

 この熱くて漢らしい話が『プリキュア』だってところがたまらない。かわいい女の子たちがガチで戦うんですよ。たまに魔法でビーム撃ったりシールド張ったりはするけど、ほとんどはパンチとキックの猛烈な応酬。キックの効果音が本当に重そうで痛そう。クモジャキーの顔面にいきなりパンチを見舞うマリン、すげー。

 この迫力あるアクションシーンの連続、最盛期の『聖闘士星矢』や『ドラゴンボール』をはるかに上回ってる。つーか、最近ここまで派手に肉弾戦が展開したアニメって、あんまりないんじゃないか?

 声優陣もよくがんばってたと思う。水樹奈々も熱演だったけど、ダークプリキュア高山みなみ)の「サバーク博士から離れろぉ!」という台詞には心震えたね。台詞ひとつにここまで感情こめられるとは。

 クライマックスはお約束通り、敵の大ボスが巨大化。しかもただ大きくなっただけじゃなくて、地球をゲシゲシ殴る(笑)。惑星を素手で叩いた悪役って、ユニクロン以来じゃないかしらん。

 それに対抗して、プリキュアもまさかの合体・巨大化! 「無限シルエット」って何それ!? オーケストラ姉さんよりさらにでかいんですが。身長数千キロあるよね。

 でもって、敵にとどめを刺す必殺技が、

「くらえ、この愛。

 プリキュア、こぶしパンチ」

 ここまでさんざん盛り上げてきて、最後の最後で「こぶしパンチ」!(笑)

 しかも素敵な笑顔で繰り出されるんだ、これがまた!

 これはあれだ、メロンパンナちゃんのメロメロパンチと同じ原理だな。北海道ほどのサイズがある(推定)超巨大メロメロパンチ。そりゃデューンでなくても浄化されるわ。

 このすごい脱力感には、逆に「やられた!」と思った。これをやるために「おしりパンチ」「からだパンチ」「ぜんぶパンチ」「おでこパンチ」で伏線張ってきたんだとしたら、脱帽するしかない。

 ひとつだけ文句をつけるなら、デューンの憎悪が何に由来するのかよく分からなかったことかな。「愛する者に裏切られた」とかいう過去をちらっと語らせても良かったと思うんだけど。

 でもって、Bパートでさらにやられた。

 いつき、髪伸ばしてる!

 スカート穿いてる!

 何ですか、これ。大きいお友達へのご褒美ですか!?

 えりかの増長っぷりもおかしくて、「ああ、『ハトプリ』ってこういう話だったんだよな」と再確認。

 第一話からずっと見てきて良かった。大満足。

 えー、いちおう新番組の『スイートプリキュア』も観たんですが……

 うーん……(苦笑)

 なんか脚本にも演出にもまったく魅力が感じられないんだけど。

 やっぱり『ハトプリ』は長峯達也監督の才能に支えられていたのだなあ。『おジャ魔女どれみ』や『明日のナージャ』の頃から、この人の演出、好きなんですよ。