2016-01-01から1年間の記事一覧

新連載『プラスチックの恋人』

新作長編が今月から〈SFマガジン〉で連載開始です。 『プラスチックの恋人』イラスト/ふゆの春秋 時は2040年代。AR技術とロボット技術の融合により、人間そっくりの立体映像をまとい、AC(人工意識)を有し、性機能を代替するアンドロイド〈オルタマシン〉…

冬コミ直前情報

どうも、長いことブログを放りっぱなしにしていて、申し訳ありません。今月はむちゃくちゃ忙しかったもので。昨日、ようやく今年最後のゲラと契約書その他もろもろを出版社に送って、一息つけました 毎月、最終金曜は大阪で「山本弘のSF秘密基地LIVE」という…

と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・4

僕はもう、と学会を辞めている。 http://hirorin.otaden.jp/e312496.html 理由はいろいろあるが、ひとつの理由は「つまらなくなった」ということだ。 トンデモ本が少なくなったわけではない。今も多くのトンデモ本が出版され続けている。ただ、新しいものが…

と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・3

そもそも『トンデモ本の世界』が出版された1995年はどんな年だったか思い出してほしい。 そう、地下鉄サリン事件のあった年だ。 あの事件がどれほど日本を騒がせたか、ご記憶の方は多いはずだ。オウム真理教はオカルトや超能力、フリーメーソン陰謀説や、様…

と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・2

じゃあなぜ、単に間違いを指摘するだけでなく、笑い飛ばす必要があるのか? 理由は簡単、その方がアピールするからだ。 前にも書いたが、「どんなに栄養のある料理でも、不味ければ誰も食べない」というのが僕のポリシーである。 ニセ科学やオカルトを批判し…

と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・1

先日、このブログのコメント欄に、こんな書きこみがあった。 http://hirorin.otaden.jp/e437829.html 山本さん、ツイッターで「僕はいじめ被害者だから、いじめる側の心理はわからないし、わかりたくもない」と言ってましたよね? では、私が教えてあげましょ…

『この世界の片隅に』

>「ああ、そうだ。理屈じゃ分かるんだよ。人の死を悼むべきだっていうのは。でも、無理だ。人は数字には感情移入できないものなんだ。“二七四〇”なんて数字にはな──たとえそれが人の命の数であっても。 > 大和に限ったことじゃない。東京大空襲で一〇万人が…

僕たちの好きだった80年代アニメ Part.4

山本弘のSF秘密基地LIVE#63 僕たちの好きだった80年代アニメ Part.4 1980年代──アニメがまだセルに描かれていた時代。でもストーリーや表現の面では、急速に新しい波が押し寄せ、激動の時期を迎えていました。 山本弘と鋼鉄サンボ、いい歳してアニメが大好…

弱者が常に正しいわけじゃない

前の記事からの続き。 なぜ僕がこの映画を純粋にアニメ映画として観てほしいかというと、2013年、原作の最初の読み切り版が『別冊少年マガジン』に載った時、Toggeterでこういう意見を目にしたからである。 求めていたのは和解ではなく拒絶〜普通学校で虐め…

映画『聲の形』

公開直後に観てきました。 これは声を大にして言いたい。「この作品は純粋にアニメ映画として評価してほしい」と。 変な色眼鏡で観ないでほしいし、ましてや観もしないで悪評立てないでほしい。 とにかく出来がいいんだよ! 『けいおん!』『たまこまーけっ…

そろそろ『シン・ゴジラ』の感想を書く

もうかなりの人が観ただろうから、ネタバレを恐れずに『シン・ゴジラ』の感想を書いてもいいかと思う。 もっとも、主なところはすでに多くの人が指摘しているのだが……。 まず、過去作品へのオマージュ。 『ゴジラ』(84)をはじめ、『日本の一番長い日』や『…

僕たちの好きだった80年代アニメ Part3

山本弘のSF秘密基地LIVE#62 僕たちの好きだった80年代アニメ Part3 1980年代──アニメがまだセルに描かれていた時代。でもストーリーや表現の面では、急速に新しい波が押し寄せ、激動の時期を迎えていました。 山本弘と鋼鉄サンボ、いい歳してアニメが大好き…

ホームページのURLが変わりました

長らく利用してきたニフティの@homepage(アット・ホ ームページ)が11月10日でサービス終了するのに伴い、ホームページを移転いたしました。 ブックマークされている方は変更をお願いします。 http://kokorohaitsumo15sai.la.coocan.jp/ 現在のおすすめの記…

星新一『きまぐれ星からの伝言』

こちらの本も紹介しておきますね。 --------------------------------- 星新一『きまぐれ星からの伝言』(徳間書店) 徳間書店 1944円 誰もが楽しめる小説を書き続け、その発想力がいまだ読者に生きつづけている作家・星新一。今年2016年は、1926年9月6日に…

小飼弾の論弾「SF作家 山本弘氏:疑似科学から懐かしのSFまで」

先のシンポジウムと同じ9月26日の夜、ニコ生にも出演します。 ---------------------------------------------- http://live.nicovideo.jp/watch/lv275020777 小飼弾の論弾 9/26 ゲスト対談:SF作家 山本弘氏:疑似科学から懐かしのSFまで 2016/09/26(月) 開…

公開シンポジウム 「こころの未来形」

次はちょっとお堅い感じのイベントです。 ----------------------------------- http://www.ifeng.or.jp/iftech_web/miraisite/20160926.pdf 公開シンポジウム 「こころの未来形」 〜21世紀における「共感」と「響存」の可能性〜 ○ 日時:2016年9月2…

「SFバカの人生総決算・それでもSFが好っきゃねん!」Part2

仕事が多忙のため、しばらく管理をさぼっていてすみません。 今月は後半にどどっとイベントが重なります。 まず最初は9月18日に神戸の三ノ宮で開催されるイベント「読まなきゃ!in KOBE」。作家の福田和代さん、初野晴さんらとビブリオバトルをやったり、初…

コミケ直前情報:『ミステリー・ゾーン』徹底解説

今年の夏コミのブースは、土曜日(13日)東パ-21b「心はいつも15才」。 新刊は 『ミステリー・ゾーン』徹底解説 半世紀前に作られた伝説のSF・ホラー・ファンタジー番組。メイン・ライターのロッド・サーリングはもちろん、レイ・ブラッドベリ、リチャード…

『映画で読み解く「都市伝説」』

うっかりして、6月に出たASIOSの新刊を紹介するのを忘れてました。 第1章 本当にあった「怖い事件」 旧ソ連時代に起きた怪奇事件―「死の山」でいったい何が起きたのか 『ディアトロフ・インシデント』(本城) 「アミティヴィルの恐怖」はまったくのでっち…

「イルミナティカード」でテレビに出たのはいいけれど……

これまでこのブログや本で何度も「イルミナティカード」(正式名称「Illuminati: New World Order」)の嘘を暴いてきた。 http://hirorin.otaden.jp/e164900.html http://hirorin.otaden.jp/e175801.html http://hirorin.otaden.jp/e258455.html http://hiro…

「SFバカの人生総決算・それでもSFが好っきゃねん!」

山本弘のSF秘密基地LIVE#60 SFバカの人生総決算・それでもSFが好っきゃねん! 怪獣愛がぎっしり詰まった小説「多々良島ふたたび」(早川書房『多々良島ふたたび:ウルトラ怪獣アンソロジー』に収録)が第47回星雲賞日本短編部門を受賞! それを記念し、SFひ…

星雲賞受賞の言葉

『多々良島ふたたび: ウルトラ怪獣アンソロジー』(早川書房)に収録された短編「多々良島ふたたび」が、同書に収録の田中啓文氏の「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」とともに、星雲賞日本短編部門を受賞しました。 先週土曜日に鳥羽のSF大会会場まで行っ…

今月のLiveWireはお休みです

すみません。毎月、最終金曜日にやっているLiveWireのトークイベント「山本弘のSF秘密基地LIVE」、今月はお休みです。 何でかというと、僕がうっかりダブルブッキングしちゃったんです。 7月29日に東京でこういうイベントをやる予定だったのを忘れてたんです…

60歳になっての雑感

少し前、「ハヤカワ・SF・シリーズ総解説」の原稿を書く関係で、昔のSFを何冊か読み返した。 そのうちの1冊がロバート・シェクリイの短編集『宇宙のかけら』。僕としては、収録作の中の「千日手」と「ポテンシャル」が気に入っていたから買ったのだが、今…

「ハヤカワ・SF・シリーズ総解説」

〈SFマガジン〉8月号の特集は「ハヤカワ・SF・シリーズ総解説」。この前の『ハヤカワ文庫SF総解説 2000』から洩れていた作品、すなわちハヤカワ・SF・シリーズから出ていたけど早川から文庫化されていない本の解説である。 僕もジャック・ウィリアムスン『ヒ…

「太陽を創った男」の思い出

前回も書いたように、カクヨムに投稿をはじめている。 https://kakuyomu.jp/users/hirorin015/works 30年以上前のアマチュア時代に書いた「砂の魔王」や「星の舟」、割と新しい「悪夢はまだ終わらない」まで、いろんな原稿をアップしてるけど、この中でいち…

そんなのはビブリオバトルじゃありません

先日、「ビブリオバトル春のワークショップ」というイベントに行って、Bibliobattle of the Year2016優秀賞というものをいただいてきたのであります。 http://www.bibliobattle.jp/workshop2016 http://www.bibliobattle.jp/bibliobattle-of-the-year/2016/a…

ドラマ『重版出来!』最終回

火曜ドラマ 重版出来! http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/ 最近、めっきり地上波でドラマなんて観なくなってたんだけど、この番組だけは例外。毎週、欠かさず観てたし、録画もしてた。 マンガと小説、ジャンルこそ違うけど、身につまされることが多かった…

『幻解!超常ファイル』裏話

幻解!超常ファイル17「超能力捜査の謎&究極UFO解析バトル」 http://www4.nhk.or.jp/darkside/5/ 9日に放送したこの番組の裏側を少し。 スタッフが仕事場に来られて、僕の出演シーンを撮影したのは5月23日なんですが、実は本編収録前、4月にスタッフの方と…

カクヨムに投稿をはじめました

小説投稿サイト「カクヨム」に投稿をはじめました。 https://kakuyomu.jp/users/hirorin015/works 以前から自分の小説の知名度の低さが気になってたんですよね。これまでに出したどの小説も、読んだ人はたいてい面白いと言ってくださるんですが、そもそも手…