『魔法少女まどか☆マギカ』最終話感想(ちょいネタバレ?)

 昨夜、『まどか☆マギカ』11・12話を、深夜にリアルタイムで視聴した。

 これから観る人もいるだろから、なるべくネタバレしない範囲で書く。

 この番組、第1話を見た感想は、「なんかちょっと面白そう」という程度だった。

 見続けるうちにだんだん自分の中の評価が上がっていった。「これは傑作だ」と。

 そして、10話を見て圧倒された。これまで納得いかなかったほむらの言動の数々に、実はどんな意味があったのかを知った時、愕然となり、認識を改めた。

「これは『傑作』じゃない! 『大傑作』だ!」と。

 そして、スタッフがこの絶望的な物語にどんな結末をつける気なのかと、いっそうの興味をそそられた。

 だって、考え得る様々なパターンのバッドエンドを10話で見せてしまった以上、真のエンディングはそれを超えるものでなくてはいけないはずだから。

 それはきっと、バッドエンドではないはずだから。

 そして、待った甲斐はあった。

 実は僕は、「時間を遡ってキュゥべえの星をぶっ壊しに行く」と想像していたのである。彼らの存在そのものを消滅させれば、ハッピーエンドになるんじゃないかと。

 ところが、驚いたことに、11話の最初で、その可能性さえも封じられてしまった。インキュベーター魔法少女の存在は、人類にとって不可欠なものだったことが示されたのである。

 だったらどうするんだ?

 考え得るすべての逃げ道をふさいだ末に、ひとつの解決策が提示される。

 そして、それは世界でただ一人、まどかにだけ可能であることも。

 だからまどかはそれを選択する。

 この物語の主人公は、やはりほむらではなくまどかだった。

 最終話Aパートは、SF的な大風呂敷を広げまくった、とてつもなく壮大な展開。

 詳しくは書かないけど、とにかく圧倒され、感動する。

「ああ、これは僕が好きな話だ」

 観ながら、そう思った。僕はこういう話が好きなんだと。

 でも、Bパートもいいんだよ。

 まどかも、スタッフも、さやかを救いたかったことがよく分かった。

 これはさやかにとっても最良の結末だ。

 これは安直なご都合主義のハッピーエンドではない。

 他の可能性をすべて否定された末にたどり着いた、大きな犠牲を伴うハッピーエンドだ。

 すべての人が幸せになれたわけではない。

 悪は絶えることはなく、魔法少女たちは永遠に戦い続けなくてはならない。

 でも、最後にほむらが見せた微笑みで、すべてが救われる。

 スタッフのみなさん、ありがとう。

魔法少女まどか☆マギカ』は本当に大傑作でした。

 DVD1〜5巻、すでに予約済みです。

 震災の影響で完結が危ぶまれていた作品だが、むしろこんな時代だからこそ、この作品にこめられたテーマが胸を打つ。

「誰かを救いたい」

 その願いや努力が報われない世界は間違っている。

追記:

まどか☆マギカ』の前にやっていたのが『Dororonえん魔くん』第3話。

 うーん、惜しい!

 EDの後のエピローグが蛇足だ!

 あのまま投げっぱなしで終わってたら、伝説として語り継がれただろうに。