8月16日(土)青山に少女のヌードを観に行く

 この日、コミケ2日目だったんだけど、回るブースひとつしかないし、これだったらパスしてもいいかなと思って、青山で開かれていたジョック・スタージス写真展に行ってきた。

 ジョック・スタージスってのはこういう人だ。

http://www.tokinowasuremono.com/artist-d05-sturges/index.html

 20年ぐらい前にこの人の写真集を買ったことがあるけど、まだ元気でやってたんですね。

 検索すると、ネットにアップされている写真もいっぱいヒットする。全部少女ってわけじゃないけど、だいたい1〜2割は、明らかに未成年と分かる少女の裸を撮ったものである。

 本国アメリカでは、やはり一部の人たちから「児童ポルノだ」という批判を受けているらしい。だが、日本より規制のきびしいアメリカで、ちゃんと写真集が出版されている(最新の『Misty Dawn/Portrait of a Muse』は2008年出版)ということは、社会的・法律的に「ポルノではない」と認知されているということだろう。

 当たり前だ。ヌードとポルノは違う。ただ女の子の裸を撮っただけの写真は、「ヌード写真」であって「ポルノ写真」ではないのである。

 児童ポルノ法のおかげで少女ヌードは全滅したと思ってる人が多いけど、こういう芸術系の写真はしっかり生き残ってんだよ。ロリコン諸君、希望は捨てちゃだめだ(笑)。

 展示されていた写真の中では、全裸でうずくまっている金髪の女の子の写真(カラー)が最高に良かったんだけど、17万とかいう値段がついてたんで、さすがに買えません。1万以下ならともかく、10万超えたら妻に言い訳できないし(笑)。写真集を買って我慢した。

 ちなみに、この写真展のことを教えてくれたのは、某誌の編集さん。よく分かってらっしゃる。感謝!

 写真展に行ってきた後、新橋で某マンガ雑誌の編集さんとマンガ家さん(過去に有名なラブコメ作品をヒットさせたことがある人)と落ち合い、食事をする。

 最初の話では、マンガ家さんが『MM9』に惚れこんでしまって、ぜひマンガ化したいということだった。すでにヒメのイラストまで描いてたりする。

 実は『MM9』マンガ化のオファーはこれが最初ではない。他にも2社から来ている。アニメ化のオファーや実写化のオファーもある。マンガやアニメはともかく、実写は無理でしょ。ヒメ、どうやって映像化するんですか(笑)。

 それにしても、怪獣の好きな人って多いんだなあ。

 あいにく、マンガ化の話はすでに別の出版社で進んでまして……と、お断りしたのだが、向こうはそれでも僕と仕事がしたいみたいで、「それなら『MM9』以外に山本さんの原作で何か連載を」という話になってきた。

 原作と言っても、シナリオを書くんじゃなく、「設定とシノプシスを書いていただいて、それを元にこちらでマンガにするという形で」と言う。 僕としても、連載もののシナリオ書いてる時間なんてないから、これはありがたい話である。

 そこで、過去に別のところに企画を提出してボツられた『機装妖精チャイカ』やら、『詩羽のいる街』の作中作である『戦場の魔法少女』やら、いろいろアイデアを見せたのだが、どうも反応がイマイチ。

 向こうとしては、ヒメの印象が強かったので、怪獣と戦う少女がいいらしいのだよね。でも、巨大化して戦うんじゃ、『MM9』といっしょになっちゃうし……。

 と、考えているうちに、ふと思いついた。

「あのー……女ターザンものはどうですか?」

 そしたらOKだって言うのよ。女ターザンでもOKだって! まあ確かに、女の子が猛獣とか怪獣と戦うシーンがいっぱい描けるわけだし。

 いやあ、言ってみるもんだね。

 たちまちマンガ家さんと意気投合。

「山本さん、ヒロインは何歳ぐらいがいいですか? 僕は16歳がいいんですけど」

「僕は15歳かな。黒髪か金髪かどっちがいいですか? それによってヒロインの国籍が決まるんですけど。僕は金髪の方が好きなんですが」

「どっちでもいいですよ。あと、『ナディア』のジャンみたいな感じのメガネの少年を出しましょうよ。あと、原住民の色黒の女の子も」

「いいですね、それ。いただきです!」

 という具合に盛り上がってしまった。

 というわけで東京から帰った後、女ターザンもののマンガの設定を書きまくった。構想(妄想)がふくらみ、キャラクター設定やらプロットやら、A4で25ページもの分量に。 魔法と超科学と怪獣と古代文明の謎が入り乱れる、『インディ・ジョーンズ』+『ハムナプトラ』みたいな話である。

 自分で言うのもなんだが、これ、面白いんだわ。採用されるかどうか分からないが、たとえボツになっても、この設定ならどこかで流用できそうである。