口蹄疫報道あれこれ

 数日前からようやくテレビでも取り上げるようになってきたけど、さて、各局は具体的にどんな報道をしていたか?  百聞は一見にしかず。実物を見てみよう。こういう時にニコ動は便利ですな。  削除される可能性が高いので、視聴はお早めに。 ●フジテレビ『スーパーニュース』5月14日 http://www.nicovideo.jp/watch/sm10716265  5月14日にもなって「緊急取材」と称する厚顔無恥ぶり。そんなもんは「緊急」でも何でもありません。  レポーターの 「この(現地の)不安の声というのがなぜここまで我々に届かなかったのかな」  という他人事みたいな発言(10:40あたり)には、「お前らのせいだろ!」というツッコミが多数(笑)。そう、現地の声を全国に届けることがマスコミの役目のはず。  いちおう赤松大臣批判は出てくるものの、最後はコメンテーターが「これは政争の具にはしてほしくない」と擁護する発言。ほー、政府の責任を追及しちゃいかんと?  でも、フジテレビはまだましな部類で……。 ●TBS『サンデーモーニング』5月16日 http://www.nicovideo.jp/watch/sm10736625  スタジオのコメンテーター全員、赤松大臣の「あ」の字すら口に出さない不自然さ。政府の責任を追及せずに、地球環境の問題とかに話をすり替える。 ●NHK『NHKニュース7』5月16日 http://www.nicovideo.jp/watch/sm10742018  やっぱり政府の責任についての言及はまったくなし。「当面の影響は小さい」と強調しておきながら「畜産への影響は大きい」って? このニュース原稿書いた人、何かおかしいって思わなかったの?  平野官房長官の 「この問題は水際で拡大させないということがいちばん大事ですから」  という発言にも噴いた。とっくに水際超えてるって! もう8万頭も処分対象になってるんだって! テレビ朝日スーパーモーニング』5月17日 http://www.nicovideo.jp/watch/sm10749006  にやにや笑いながら「結局みんな人間のご都合なんだろうね」などと語るコメンテーターが不快。  やっぱり政府批判はやらない。  こうして並べると、やっぱり「あまり政府を批判しないように」という指示が出てるとしか思えないんだけどねえ……。  ちなみに、新聞・テレビだけじゃなく週刊誌も、この問題をほとんど取り上げていません。  ついでに、こういうのも見ておいた方がいい。5月11日の国会答弁。 2010/5/11衆院農林水産委・江藤拓(自由民主党)口蹄疫災害について http://www.nicovideo.jp/watch/sm10686926  ほんと、キューバやコロンビアに何しに行ってたんですかねえ、赤松さん……。 【5月18日9時追記】  5月17日、政府が(ようやく!)「口蹄疫対策本部」を設置。今朝(18日)の産経新聞はそれを一面で報じました。  また、3面には赤松大臣を強く批判する記事も載りました。 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100517/plc1005172301023-n1.htm > 首相は今回、赤松広隆農水相がトップの同省対策本部では対応できない事態と判断し、自ら指揮を執る選択をした。背景には、被害拡大の中、現地からの悲鳴をよそに外遊や政治活動を優先した赤松氏への批判の高まりもあるとみられる。 > 赤松氏は4月20日に感染が確認されていたにもかかわらず、30日から9日間、中南米を訪問した。この間、殺処分対象の牛と豚は4369頭から一気に14倍以上の6万2426頭に跳ね上がった。しかし、5月8日に帰国した赤松氏が真っ先に向かったのは栃木県。民主党衆院議員の後援会会合出席のためだった。 > 赤松氏がやっと宮崎県を訪れたのは10日になってから。鳩山首相は「必要以上にさまざまな風評が立つと、農家の方が困る」と、対応の遅れを釈明したが、すでに感染は拡大しており、風評被害を気にする段階は過ぎていた。赤松氏は17日昼、首相との会談後も記者団に「対応が遅れたとは思っていない」と自己正当化を試みた。  ようやくマスコミがまともな情報を流しはじめたな、という印象です。まあ、ネットでこれだけ騒がれちゃったらねえ……。