デマがいっぱい(その5)

【アニメ・マンガ・ゲーム関連】 「『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』2014年TVアニメ化」 http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-1237.html  台湾→フランス→日本と回ってきたデマ。  ほんとだったら公式に発表されてるはずでしょ? 「バタコさんとおむすびまんは夫婦」 http://twinavi.jp/article/detail/19483  何でこんな話を「緊急拡散」しなきゃならんのだ? 「『まどマギ』『けいおん!』の二次創作禁止」 http://matome.naver.jp/odai/2136387574207120301  5年も前からあるガイドラインだった。 「『進撃の巨人』に障害者団体が抗議」  http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1304/11/news058.html  こういうデマを流す奴こそ、障害者団体を中傷して障害者を差別している。 「『激おこぷんぷん丸』はファミコンのゲームが元ネタ」 http://amaebi.net/archives/2045681.html  架空のゲーム攻略本のコラ画像が拡散。よく見ると「ファミリーロンピュータ」とか「ツイブンシャの大百科」とか書いてある。 【感動の実話(とされるもの)】 「震災姉妹 最後のメール」 http://d.hatena.ne.jp/hagex/20120309/p4 http://d.hatena.ne.jp/hagex/20120314/p9  確かにこれは怪しい。特に最後の「ありが」がわざとらしい。 「これは日本の東北大震災で自らを犠牲にしてわが子を守ったある母の本当のお話です」 http://d.hatena.ne.jp/hagex/20120213/p8  携帯電話のエピソードは中国の四川地震、掲載されている写真は攀枝花地震のものだった。いくら感動的なエピソードでも、「日本の東北大震災」じゃない。 「50代とおぼしき妙齢の白人女性が機内で席につくと彼女は自分の隣が黒人男性であるという事に気がついた」 http://d.hatena.ne.jp/hagex/20120202/p5  こういう話を「事実じゃないかもしれないけど、いい話だから拡散しよう」と思う人って、たぶん他にもいろんなデマを拡散してると思う。 「バイクで事故にあったカップルの彼氏の行動がカッコいい」 http://matome.naver.jp/odai/2136599051754809201  多くの人がツッコんでるけど、確かにこんなことありえない。何で信じるの? 「捕虜となったフランス兵たちの脳内共同ガールフレンド」 http://yusan.sakura.ne.jp/library/2ch_kanshin-nounaigf/  僕もこの話が何年も前から気になっていて、ソースを探していたのだが、最近、それが特定されたと知った。ロオマン・ギャリイ『自由の大地』(1956)という小説の挿話なのだそうだ。 http://togetter.com/li/484601  さっそく、『自由の大地』が収録されている『澁澤龍彦翻訳全集4』(河出書房新社)を手に入れて読んでみた。この話が出てくるのは87〜95ページ。作中人物の回想のシーンなので、作者の創作と見て間違いなかろう。  ただし原典では「フランス兵」ではなく「レジスタンス」の話で、「13歳の可愛らしい少女」ではなく「ご婦人」である。ディテールもいろいろ違っている。 【コピペ】 仲間同士でケンカをしたり、激しい口論をしたりとおおよそ紳士らしからぬ振る舞いをした兵士は、その席にいる少女に頭を下げ、 大きな声で非礼を詫びなければならない。 着替えのときは、見苦しい姿を見せぬように、少女の席の前には布を吊って目隠しをする。食事の際には、皆のぶんを分け合って彼女のために一膳をこしらえる。 さらに、あらかじめ決めた彼女の誕生日やクリスマスには、各自が手づくりでプレゼントを用意して贈る……。 【原典『自由の大地』】 (前略)もう精魂つきはてて、屈服する寸前にあったシャテルという男なぞ、ある日、仲間の囚人が《お嬢さんに対して敬意を払わなかった》という理由で、その男に飛びかかって行ったものだ。びっくりしたカポの前で、その男がした説明の一くさりは、何日もぼくらを無性に喜ばせた。それからある男なぞは、毎朝、《お嬢さんが着がえをしているあいだ》不作法な男たちの眼から彼女をかくしてやるのだという名目で、部屋の隅に皺だらけの毛布を捧げて立っていた。ロスタンというピアニストは、ぼくらのうちでいちばん元気のない男だったが、お昼の休憩の二十分間を利用して、彼女のために花を摘んだ。仲間のうちのインテリは、彼女の気をひくために洒落たことを言ったり、駄弁を弄したりした。(後略)