ビブリオバトル・シンポジウム 2014

 12月13日、立命館大学・朱雀キャンパスで開かれたのが、ビブリオバトル・シンポジウム2014。

 僕もビブリオバトルの考案者である立命館大学の谷口忠大先生とトークライヴしてきた。

http://sympo14.bibliobattle.jp/puroguramu

 

 前にも書いたかもしれないけど、谷口先生は学生時代に『ソード・ワールドRPG』にハマってたのだそうで、僕の名前も知っておられた。そもそも本の紹介をゲームにするという発想自体、TRPGをプレイしてきた経験の影響なんだそうだ。

 おかげで『BISビブリオバトル部』の企画もすんなり受け入れてもらえた。僕にとっては大変なラッキーである。

 いちおう本の宣伝はいっぱいしてきたけど、さあ、これでどれだれ売り上げが伸びるかな。

 谷口先生の基調講演のスライド。

http://sympo14.bibliobattle.jp/puroguramu/plenary-talk

・「読書感想文の二の舞」はさけなくてはならない。

・北風でなく太陽

・「楽しい」は正義

 というあたりが特に重要かな。

 一部にビブリオバトルを「子供の読書嫌いを治すツール」と勘違いしている人がいるという。 たとえば学校の先生が生徒に本を読ませようとして、ビブリオバトルをやらせる。それも生徒に自由に喋らせるんじゃなく、事前に発表原稿を書かせてチェックしたりする。それって要するに「読書感想文」だよね? 子供の嫌いな(僕も苦手だったけど)。

 読書感想文が子供を本嫌いにしている面はあると思うし、その失敗を繰り返してはいけないと思う。 ビブリオバトルの公式ルールで、レジュメの使用を禁じてるのは、まさに「読書感想文の二の舞」を避けるためなのだ。

 シンポジウムでもたびたび強調されていたのは、ビブリオバトルは「ゲーム」であり「遊び」だということ。結果的に子供が本を好きになることがあるとしても、それは副次的なもの。まずゲームを楽しむことが大切だ。

 シンポジウムを聴いていてあらためて思ったのは、ビブリオバトルの幅の広さ。

 大きな会場で行なわれる全国大会というのはむしろ特殊で、仲間内のごく少人数で行なうのが普通。図書館、教育現場、地域コミュニティでも活用されている。

 すでに日本の大学の約4分の1でビブリオバトルが行なわれているそうで、さらに広まりそうな気配である。

 その形態もいろいろ。たとえば古民家でやる「古民家ビブリオバトル」とか、登山で登頂後にみんなでやる「山頂ビブリオバトル」なんてのもあるのだそうだ。

 おかしかったのが「山頂ビブリオバトル」の人が、キリマンジャロの山頂でビブリオバトルをやろうとしたという話。空気が薄くて苦しいうえに、本を持ってきたのが一人だけだったので、不成立だったらしいが。

 こういう「エクストリーム・ビブリオバトル」というジャンルも、もしかしたらこれから流行るかもね。

 他にもテーマ別のビブリオバトルの話。たとえば妖怪関係の本だけの「妖怪ビブリオバトル」とか、深海テーマ縛りの「深海ビブリオバトル」なんてものが、すでにある。

 他にも、いろんなジャンルのマニアの人が集まって、ジャンルごとにビブリオバトルができそうである。「特撮ビブリオバトル」とか「ガンダムビブリオバトル」とか。

 話を聞きながら、『BISビブリオバトル部』のネタがいくつも浮かんだ。やばい。これ、長期シリーズになっちゃうんじゃない?

 ところで、ぜんぜん関係ないけど、「BIS」を「ビス」と発音する人が多いのに気がついた。これ、正しくは「ビー・アイ・エスですから。

 実際のインターナショナルスクールでも、OIS(オー・アイ・エス)とかSIS(エス・アイ・エス)と発音している例が多い。まあ、「オイス」や「シス」じゃ語呂が悪いしね。「ビス」もかっこよくないよ。「ビー・アイ・エス」でないと。

 うーん、作中に「ビー・アイ・エス」と書いておくべきだったな。反省。