『あなたの知らない「レトロ特撮」の素晴らしき世界 』

 更新をさぼっててすみません。実は先月の終わりにいきなりパソコンが壊れちゃいまして。ちょっと調子が悪くなったという程度なら自分でどうにかできたんですが、モニターが真っ暗になったもんで手も足も出ません。当然、メールもできないもんで、知り合いや編集者とはスマホで連絡取ったり、連載原稿をみんなPOMERAで書いたり、メールを使うために妻が何年もしまいこんでいた古いパソコンを引っ張り出してきたり(更新が何年分も溜ってて、起動するのに1時間ぐらいかかるんですよ)、各方面に大変な迷惑をおかけしました。

 新しいパソコンに買い換えたうえに、業者の人に来てもらって、だいたい復旧はできたんですけどね。幸い、古い原稿の多くは外付けハードディスクにバックアップを残してましたし、壊れたパソコンに入ってたデータもかなり回収できました。だから、データの被害は最小限でした。

 もっとも、まだホームページ・ビルダーとかが消えたまんまで、ホームページの更新ができない状況が続いてます。あと、メールのデータは回収できたけど、メッセージルールが全部吹っ飛んだみたいで、これも厄介です。

 いちばん厄介なのは、新しいパソコンに入ってるWord2016。使い慣れてた古いWordとまったく操作法が違ってて、「単語登録どうすんだ?」とか「プロパティどこ?」とか、分かんないことばかりで……慣れるのにかなり時間かかりそうです。

 というわけで、今月発売の新刊の告知が今までできませんでした。

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『あなたの知らない「レトロ特撮」の素晴らしき世界』

洋泉社 1,800円+税

http://www.yosensha.co.jp/book/b313898.html

王道の特撮映画から抜け落ちた「知られざる特撮」「珠玉の特撮」の数々。

「特撮映画」といえば、ヒーローものか怪獣映画、SF映画を連想するかもしれないが、

怪獣や宇宙人が登場しなくとも、すごい特撮シーンを堪能できる映画が、

世界にはたくさん存在する――

CGやデジタル技術が普及する前の作品でありながら、

「この時代にどうやって作ったんだ?」という驚きの多い作品群を中心にセレクト。

いわば、本書は「特撮のオーパーツ」を再発掘・再発見し、評価しようという試みである。

【目次】

第1章 特技監督ジョン・P・フルトンの足跡

数々の名作を陰で支えた特撮の名手

『透明人間』(1933)

フランケンシュタインの花嫁』(1935)

『化石人間』(1935)

『透明光線』(1936)

『透明人間の逆襲』(1940)

『The Invisible Woman』(1940)

『電気人間』(1941)

『逃走迷路』(1942)

荒鷲戦隊』(1942)

フランケンシュタインと狼男』(1943)

『夜の悪魔』(1943)

ダニー・ケイの天国と地獄』(1945)

『タルサ』(1949)

『巨象の道』(1954)

『黒い絨毯』(1954)

トコリの橋』(1954)

『宇宙征服』(1955)

十戒』(1956)

『ニューヨークの怪人』(1958)

テレマークの要塞』(1965)

第2章 このカタストロフ・シーンがすごい!

「戦前にこんなすごい映画があったのか!?」

『世界大洪水』(1933)

『桑港』(1936)

『シカゴ』(1937)

スエズ』(1938)

『雨ぞ降る』(1939)

ジャングル・ブック』(1942)

『大地は怒る』(1947)

第3章 NHKドキュメンタリー『核戦争後の地球』(1984

リアルに描かれた東京壊滅

パンツのゴムや絵ハガキで……

実写映像もふんだんに使用

核の冬が起きると困る人たち

国内外から高く評価された

第4章 この爆発シーンがすごい!

特撮の花――爆発・炎上シーン

『宇宙快速船』(1961)

『地球は壊滅する』(1965)

『トブルク戦線』(1967)

サンダーバード6号』(1968)

『決死圏SOS宇宙船』(1969)

地獄のバスターズ』(1976)

第5章 この戦争映画がすごい!

あまりにもリアルな映像は思わぬ弊害も生む

『地獄の天使』(1930)

『同志X』(1940)

『美女ありき』(1940)

フライング・タイガー』(1942)

『ハワイ・マレー沖海戦』(1942)

『東京上空三十秒』(1944)

『炎のロシア戦線』(1944)

暁の出撃』(1955)

『眼下の敵』(1957)

ベン・ハー』(1959)

ビスマルク号を撃沈せよ!』(1960)

第6章 この未来メカがすごい!

「未来のデザイン」を模索してきたクリエイターたち

『The Mechanical Man』 (1921)

『五十年後の世界』(1930)

『宇宙飛行』(1935)

『来るべき世界』(1936)

『禁断の惑星』(1956)

『金星ロケット発進す』(1959)

『スパイキャッチャーJ3/SOS危機一発』(1966)

『キャプテン・スカーレット/無人戦車ユニトロン』(1967)

『スーパー少年・ジョー90/裏切りのテスト飛行』(1968)

『宇宙からの脱出』(1969)

『空中都市008/北極圏SOS』(1970)

第7章 このモンスター映画がすごい!

新たなCG時代――だが僕は、コマ撮り怪獣も着ぐるみ怪獣も好きだった!

『猿人ジョー・ヤング』(1949)

『世紀の怪物 タランチュラの襲撃』(1955)

『白鯨』(1956)

『黒い蠍』(1957)

モノリスの怪物』(1957)

『顔のない悪魔』(1958)

『怪獣ゴルゴ』(1961)

『トリフィドの日〜人類SOS!〜』(1962)

『鳥』(1963)

『恐竜時代』(1970)

第8章 この怪奇人間がすごい!

リアルな変身シーンを描くことに熱意を燃やした映画人たちの執念

『竜宮城』(1929)

『悪魔の人形』(1936)

『ドクター・サイクロプス』(1940)

『縮みゆく人間』(1957)

『蠅男の恐怖』(1958)

『アウター・リミッツ/宇宙人現る』(1963)

『マニトウ』(1978)

第9章 このファンタジー映画がすごい!

傑作・駄作・珍作・異色作を観まくった体験の蓄積が、今の僕を作った

バグダッドの盗賊』(1924)

『奇蹟人間』(1936)

バグダッドの盗賊』(1940)

『天国への階段』(1946)

サムソンとデリラ』(1949)

『妖婆・死棺の呪い』(1967)

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 もう書店に並んでおります。

 研究本とかじゃなくて、データは最小限。「こんな特撮映画があるよ!」とひたすら紹介するだけの本にすることを心がけました。まずは特撮ファンの人たちに、こういう映画の存在を知ってもらい、面白がってもらわなくては、どうにもなりませんので。

 だから最も新しい劇映画は『マニトウ』!

 円谷特撮は『ハワイ・マレー沖海戦』のみ!

 ハリー・ハウゼン特撮は『猿人ジョー・ヤング』のみ!

 マニアなら必ず見てるような作品については、「今さら言わなくてもいいでしょ?」というスタンスで貫かれております。それよりも『世界大洪水』や『雨ぞ降る』や『悪魔の人形』や『来るべき世界』にもっと注目してほしいなと。

 あるいはこういう映画。1940年に作られたコメディ『同志X』。クライマックスの戦車チェイスが拾いものです。

https://www.youtube.com/watch?v=9vvz6QVbWZodocter cyclops

『地球は壊滅する』(1965)とか

https://www.youtube.com/watch?v=lHtZ6Ixeqvs

『東京上空30秒』(1944)とか

https://www.youtube.com/watch?v=3IHkL_7fCzk

 などなど、他にも珍しい特撮映画がいろいろ。

 特撮ファンの方により深い一歩を踏み出していただくための入門書として書きました。多くの方に楽しんでいただけると幸いです。