第4回MMD杯

 2月12日(金)21時より、第4回MMD杯の本選が開始される。

 ご存知ない方のために解説すると、MMD(MikuMikuDance)というのは2008年2月24日に公開されたフリーソフトで、初音ミクの3Dアニメーションを製作できるツールである。

 僕もちょっとだけいじったことがあるが、その操作性の良さには驚いた。難しい勉強など必要なく、すぐに覚えられ、ほとんど直感的に操作できてしまうのだ。「こんなすごいもん、ただでもらっちゃっていいの?」と思ったぐらいである。

 公開直後からニコニコ動画で反響を呼び、それで3Dアニメーションを製作して発表する人が続出した。当初、キャラクターはミクしかいなかったが、熱心なユーザーが次々にオリジナルモデルを製作、リン、レン、カイト、メイコらヴォーカロイドをはじめ、アニメ、ゲームの人気キャラクターも続々とモデル化された。ガンダムバルキリーゾイドなどを作っている人もいる(ちゃんと三段変形するケーニッヒモンスターには感動した)。ジェイムスン教授などというマニアックなキャラもいる。

 それらのデータの多くは公開され、誰でも自由に利用できる。正確な数は不明だが、キャラの数は確実に100体を超えている。

 背景データにしても、各種のステージをはじめ、「ゲキド街」「銀匙町」などの街並みや、駅舎、「あのプール」(一部では有名なプールなのだそうだ)などが作られている。キャラクターの持つ小道具類や、自動車、バイク、戦車、戦闘機などのデータも充実してきている。

 MMD自体が何度もバージョン・アップされているし、昨年の夏ごろからは物理演算を組みこんだモデル(重力や摩擦の影響を再現できる)も増えてきた。

 その応用範囲も広い。ダンスを踊らせるだけでなく、アクションも作れるし、ドラマもできる。アニメのOP・EDをMMDで再現することも当たり前になっている。(今週の火曜日の時点で、すでに『ハートキャッチプリキュア!』のEDの振り付けをほぼ完成させている人がいるのには驚いた)

 そのニコ動に集うMMDマスターたちが腕を競い合うのが、MMD杯なのである。2008年8月から、半年に1回開催され、今回で4回目。

 MMD杯@wiki

 1回目より2回目、2回目より3回目と、確実に参加者のレベルがアップしていて、目が離せない。

 すでに予選が終了している。僕が注目しているのは、こういう作品である。

●「ニコニコ天国と地獄」

 第2回の「ゲキド・オブ・ハツネ」、第3回の「忙しい人のための仮面ライダーV3」という傑作を発表したポンポコPの新作。たぶん最有力優勝候補。アクションの素晴らしさは「忙しい人のための……」で完成の域に達しているので、さらにどんな飛躍を見せてくれるか楽しみ。

●「ミクトラ」

 踊る怪獣動画を作り続けているツブラヤP。怪獣以外でも「よっしゃあ漢唄」で振りつけやカメラワークの上手さも見せつけてくれた。

 今回は怪獣をなんと30体出すと予告している。まさか『ウルトラ銀河伝説』をやる気か!? お気に入りの作者だけに、これも期待できる。

●「綱渡リフティング 【原点回帰】」

 ジャグリング・シリーズの6666AAPの新作。タイトル通り、原点に返って、またまたミクにジャグリングをやらせるらしい。

●「頭文字M」

 第3回で、ミクに手話で「初音ミクの消失」を歌わせるという、驚異的な芸当を披露したせっけんP。今回はレースものらしい。かっこよさそうだ。

●「すばらしき新 - MMD - 世界【PV】」

 こちらは海外からの参加だそうだ。『ナムコ クロス カプコン』のOPをMMDで再現するらしい。僕も『ナムカプ』のOPは大好きなんで、これも注目している。

 他にも注目している作品はたくさんあるのだが、書き切れないので省略。2月12日夜から15日にかけて、完成した作品が続々とアップされるはずなので、楽しみにしている。

 もちろん、MMD杯以外にも優れたMMD作品は多数アップされている。最近、僕が感心したのは、「なでこサーキュレーション」と「キレイなアイツがタレント発掘番組に出演」というやつ。

 特に後者は、意外すぎる発想で意表を突かれた。詳しくは解説しないし、直リンも張らないが、騙されたと思って検索して見てほしい。