『結晶銀河』

 1年に1回出る、創元の年刊SF傑作選、今年は僕の「アリスへの決別」が収録されました。

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488734046

【収録作品】

冲方 丁「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」

小川一水「アリスマ王の愛した魔物」

上田早夕里「完全なる脳髄」

津原泰水「五色の舟」

白井弓子「成人式」

月村了衛「機龍警察 火宅」

瀬名秀明「光の栞」

円城 塔「エデン逆行」

伴名 練「ゼロ年代の臨界点」

谷 甲州メデューサ複合体」

山本 弘「アリスへの決別」

長谷敏司「allo, toi, toi」

眉村 卓「じきに、こけるよ」

酉島伝法「皆勤の徒」(第2回創元SF短編賞受賞作)

 日下三蔵氏もまえがきで書いてるけど、去年までは「これははたしてSFなのか?」と疑問に思う作品が多かったんだけど、今年はストレートなSFが多くなったという印象です。

 実はまだ全部読んでないんだけど、伴名練「ゼロ年代の臨界点」がすごく気に入りました。20世紀初頭を舞台にした架空の日本SF史! 3人の若き女流作家が書いたSFが、どれも面白そう。腕木信号のネットワーク知性!

 最初から最後まですべて嘘っぱちなのに、もっともらしくて、わくわくしちゃうんですよねえ。こういうタイプの話、僕は好き。

 作中に明示されていない裏設定を推理するのも楽しい。フジの最後の言葉の意味とか。

 ところで創元の近刊予告を見てびっくり。笹本祐一さんの『妖精作戦』、復刻するんだ!

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488741013

 しかも、解説がやっぱり有川浩さんだ! ああ、そりゃもう、解説頼むならこの人以外ありえないわ!

(分からない人は『レインツリーの国』を読むように)