「スカイツリーは地下も含めると666m」というのはデマ

634mスカイツリーに666m説出る 「陰謀めいてる」との声

http://www.news-postseven.com/archives/20120617_119790.html

  5月に開業した東京スカイツリーでは、数々のミステリーがささやかれている。

 スカイツリーの高さは、武蔵野国の名にちなんで634mに決めたとされている。ギネスブックにも634mと記録されている。だが、本当は666mだという説がある。超常現象に詳しいUFO研究家の並木伸一郎さんはこう語る。

スカイツリーは地下に頑丈な土台が築かれていますが、これが深さ10階建て以上に相当するといわれています。10階建ての建物の高さは、一般的に31mほど。10階建て以上ということは31m以上掘ってあるということで、これが32mだとすると、高さ634m+地下32m=666mということになるのです。

 666は新約聖書では不吉な数字とされていますから、日本のシンボルとなるスカイツリーが666の数字をもとに造られているとしたら、どこか陰謀めいたものを感じずにはいられません」(並木さん・以下同)

(中略)

※女性セブン2012年6月28日号

 ああ、また並木さんが口からでまかせのええかげんなことを(笑)。

 はい、大林組のサイトを見てみよう。

http://www.obayashi.co.jp/news/skytreedetail22

 基礎の深さは50mだってしっかり書いてあるよ!

 だいたい「10階建て以上」だから32mって、論理がむちゃくちゃだろう。

「深さ10階建て以上に相当する」という話はどこから出てきたのか。元ネタを探してみたら、こんなのが見つかった。 昨年の7月24日にアップされている。「東京スカイツリー 世界最難関への挑戦」という番組はこの日に放映されているので、この人が言い出しっぺと考えていいだろう。

http://d.hatena.ne.jp/goro358/20110724

今晩、NHKスペシャルスカイツリーの建設ドキュメントをやっていた。

東京スカイツリー 世界最難関への挑戦」

地下に土台部分を掘削する様子が出た!

〜10階建て以上に相当する深さ〜とナレーションが出た!

10階建てで高さ31m、というのが一般的だ。

地上634m+地下31mで、665m。

10階建て以上、ということで、地下は32mにしているのでは?

634+32=666。

 うわ、「10階建てで高さ31m、というのが一般的だ」→「10階建ての建物の高さは、一般的に31mほど」、「10階建て以上、ということで」→「10階建て以上ということは31m以上掘ってあるということで」と、言い回しまでそっくりだ! 並木さん、明らかにこのブログ読んでるだろ!

 このブログ主、「+マクロビオティック小林正観+水と食の健康法クラブ+エコロジー中丸薫ニューエイジ+ 」なんだそうで、

http://d.hatena.ne.jp/goro358/20120514

シナ(中国)は尖閣諸島を日本から略奪したくて日本に敵対。

偉そうにチューコクってか。

イイ加減にシナさい。

チョーセンは慰安婦だかで謝罪と賠償の言いがかりで日本に敵対。

偉そうにチョーセンってか。

コリァあきれた。

 ネトウヨでオカルトマニアで陰謀論者のうえにダジャレ好きかよ!(笑)数え役満だな。

 コリァあきれた。並木さん、こんなのネタにしてんのか。

 ちなみにビルの1階あたりの高さは、ビルによってかなり差がある。

 僕の仕事場のマンションは、前に測ったことがあるけど、1階あたり約3m。実はこれはかなり低い。前にアメリカからテレビの取材班が来た時、スタッフが戸口で頭ぶつけていた(笑)。あくまで日本人向けの、それも低層マンションにおける数字なのだ。

 大きなビルではもっと高いのが普通だ。日本で最も高いマンションである大阪のThe Kitahamaは、54階で209.4 mなので、1階あたり約3.9m、サンシャイン60は60階建てで239.7mなので、1階あたり約4.0m。NEC本社ビルは43階で180mなので、1階あたり4.2m。

 だから深さ50mを「10階建て以上に相当する深さ」と形容するのは間違いではない。それを「32m」と解釈するのが間違いなだけで。

 スカイツリーについては、2年前、『MM9─invasion─』の舞台にするためにいろいろ調べた。ネットで検索したのはもちろん、テレビで特集組んだら欠かさず録画したし、建設途中の現場にも足を運んで、下から見たらどんな感じに見えるかを実感した。

 もっとも、けっこう基本的なことが分からなくて苦労した。エレベーターが展望台の何階に到着するのかとか、料金はいくらぐらいかとか。当時はまだ正確な完成予定日さえ決まっていなかった。

 わざわざ東武タワースカイツリー株式会社に電話かけて、「エレベーターは何階に到着するんですか?」と訊ねたこともあったけど、「まだ決まっておりません」という返事だった。しょうがないので、かなり想像でごまかすしかなかった。

 だから完成した実際のスカイツリーとはかなり違っている。たとえば作中ではオープンしたのは2012年の3月ということなっているし、当時はまだ「天望デッキ」「天望回廊」という名前もなかったので、作中では「第一展望台」「第二展望台」と呼ばれている。

 かなり混むことは予想していて、作中でもそういう描写は入れてるけど、チケットが完全予約制になるというのはさすがに予想外だった。実物に登れるのはいつなんだろうか。