「クトゥルフ・ミーティングinまんだらけ」報告

 遅くなりましたが、先日の「クトゥルフ・ミーティングinまんだらけ」の報告です。 http://hirorin.otaden.jp/e269999.html  会場というのが廊下に面していてお客さんが20人ぐらいしか座れないスペース。立ち見も含めて、観客は25人ぐらい。これでもお店としては成功なんだそうです。  いろいろ喋ったけど、あんまり覚えてないです(笑)。とりあえず、25年前と比べて、クトゥルフ神話をめぐる日本の状況はものすごく変わったなあ……ということを。 『クトゥルフ・ハンドブック』を書いた時は、クトゥルフ神話関連作品リストはほんの数ページで済んだんだけど、今だといったい何百ページ必要やら。さすがにライトノベルとかマンガとかは多すぎてフォローしきれません。いや『うちのメイドは不定形』とか『未完少女ラヴクラフト』とか『名門校の女子生徒会長がアブドゥル=アルハザードネクロノミコンを読んだら』とかも、いちおう読んでるんですけどね。  そう言えば、先日のエイプリル・フールでは、ニトロプラスの「渾沌大殲」に笑いました。そうか、今はニャルラトテップだけでこんなにいるんだ。  他にも、実はクトゥルフ神話の邪神を女の子にするのは同人誌界では20年以上前からやってるんだよ、とか、もともとラヴクラフト・サークルって今の同人サークルみたいなものなんだよね、といった話も。  みなさん、楽しんでいただけたんでしょうか。  それよりも、楽屋で朝松健さん朱鷺田祐介さんとやった雑談の方がめちゃくちゃ面白くて、爆笑の連続でした。  でも、おおっぴらにできないんだよなあ(苦笑)。  某有名な陰謀論者の●●●氏が精神病院に入院してたとか。  あの有名マンガ家のあの作品の元ネタはアレだとか。  あの有名な超能力者が実は……とか。  やばいネタ多すぎるもの。  中でも驚いたのは、ある人が持ってきていた1965年ごろの『少年サンデー』(何号だったかメモし忘れました。すみません)『ぼくら』(講談社)1964年10月号の記事。ロボットをテーマにしたショート・ストーリーが何本か載ってるんだけど、それがみんな、アシモフの「ロビイ」「われ思う、ゆえに……」、イアンド・ビンダーの「ロボット誕生」、キャロル・エムシュウィラーの「ベビイ」、ロバート・ムーア・ウィリアムズの「ロボット還る」など、海外SF短編のダイジェストなんですよ。 (これはもろにエムシュウィラーの「ベビイ」)  でも原題や原作者名の表記はなし。  ただ、ページの下に 「ロボットの三つのおきて」というのがあって、アシモフの名が。いいなあ、「三つのおきて」。  この時代はこうだったんですよ。日本の出版界には著作権意識なんてもの、なかった。  ある人が「中国は50年前の日本なんだよ」と言ってたけど、まったく同感。  今、問題になっている大気汚染にしたって、日本でも1960年代はひどいものだったし(もう「四日市ぜんそく」なんて知らん人も多いのでは?)。去年の中国の反日デモにしても、日本では50年前に左翼学生が過激な反米デモさんざんやってたし。  もちろん、「日本も昔はああだった」という理由で許されるわけじゃないんだけど。