『多々良島ふたたび:ウルトラ怪獣アンソロジー』
《TSUBURAYA×HAYAKAWA UNIVERSE》
多々良島ふたたび
早川書房 1944円
7月23日発売
怪獣ブーム直撃のSF作家7人が挑む、ウルトラ怪獣小説7篇。本篇の再解釈からオリジナルまで、日本SFの象徴的イコンをリスペクトする円谷プロ公式アンソロジー。センス・オブ・ワンダー溢れる挿絵14枚収録。
【収録作品】
山本弘「多々良島ふたたび」
北野勇作「宇宙からの贈りものたち」
小林泰三「マウンテンピーナッツ」
三津田信三「影が来る」
藤崎慎吾「変身障害」
田中啓文「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」
酉島伝法「痕の祀り」
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最初にこの企画を聞いた時、「たぶん他のSF作家はみんな、あの手この手で自分のオリジナリティを発揮しようとするだろうから、僕は逆に個性を殺して、ものすごくまっとうな『ウルトラマン』のノヴェライズを書いてやろう」と思いました。
「多々良島ふたたび」はタイトル通り、「怪獣無法地帯」の続編。あの事件から半年後、測候所再開に向けて再び多々良島を訪れた調査隊が見たものは……という話で、『ウルトラマン』本編にリンクするように作ってあります。
子供の頃から気になっていた謎に、僕なりの決着をつけてみました。書くからには間違いや矛盾がないようにしようと、『ウルトラマン』『ウルトラQ』のDVD、ずいぶん見直しましたね。
実際にこうしてアンソロジーが完成してみると、予想通り、どの作者もみんなそれぞれの持ち味を出してるんですね。
僕以外の作品でいちばん気に入ったのは、「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」。怪獣図鑑に不可欠な、怪獣の足跡を取る男! これはやられましたね。あと、田中さんだから当然、オチはダジャレだろうとは予想してたんですが、まさかそれで来るかと。
怪獣が好き、特撮が好きという方なら、必ず気に入っていただけると思います。