「『SFマガジン』を創刊号から読んでみる」

山本弘SF&トンデモNIGHT#7

「幻の名作・怪作を発掘!『SFマガジン』を創刊号から読んでみる」

【出演】山本弘(SF作家/と学会会長)

【時間】2月24日(金)

    開場19:00〜 開演19:30〜(約二時間)

【場所】トークシアターなんば紅鶴

    大阪市中央区千日前2-3-9 『レジャービル味園』2F

 グレッグ・イーガンテッド・チャンもいいけれど、昔のSFだって面白かった!

 1959年12月に創刊され、すでに半世紀の歴史がある『SFマガジン』。80年代以前のクラシックSFを深く愛する山本弘が、その初期の号の中から、今となっては読めない幻の名作、心温まる佳作、奇想天外な怪作、爆笑の珍作の数々を、主観と偏見でピックアップ。素朴だけれど楽しいクラシックSFの魅力を語り尽くします。クラークやアシモフなどの大御所と違い、決してスポットの当たらないマイナーな作家たちの、想像力の競演をお楽しみください。

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http://go-livewire.com/

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 何でこういう企画を思いついたかというと、実は60年代の『SFマガジン』がどんなものだったのか知ってる人って、SFファンの中でも少ないんじゃないかと思ったからです。

 かく言う僕も、初めて読んだのが1972年の4月号。それ以前の号は、友人から借りたり古本屋で見つけたり図書館で読んだりして、全冊読破しました。

 今のSF界で中心になって活躍している作家や評論家の人たちも、たいてい僕と同世代か、僕より年下の人ばかり。60年代どころか、70年代の『SFマガジン』も読んでないんじゃないかと思うのです。

 僕の印象だと、『SFマガジン』がいちばん面白かったのは60年代です。

 理由は簡単。1940〜50年代は英米のSFの黄金時代で、その時期に書かれた名作の数々が少し遅れて訳されていた。もちろん60年代の(当時)最新のSFも載っていた。それに加えて、星新一小松左京筒井康隆光瀬龍眉村卓半村良豊田有恒平井和正といった日本作家の方々も次々にデビューしてきて、傑作をいっぱい発表していた。60年代後半になると、バラードやオールディスなどのニューウェーブも台頭してきた……。

 つまり、ものすごく凝縮されたエキサイティングな10年間だったんです。

 あと、当時のSFは今に比べてプリムティヴな分、とっつきやすいというのもありますね。今のSFと違って専門用語が少ないし、ディテールに凝ったりしてないから、すらすら読める。その素朴な面白さを今のSFファンの方々にも伝えたいと思っています。

 ちなみに、クラーク、アシモフハインライン、ディック、ブラウン、ブラッドベリらに関しては取り上げません。そうした巨匠の作品のほとんどは、後で短編集に再録されているので、今でも読もうと思えば読めますから。

 むしろ復刻の可能性ほとんどゼロの、ダニエル・F・ガロイとかJ・T・マッキントッシュとかワイマン・グインとかキャロル・エムシュウィラーとかアナトリイ・ドニエプロフとかの作品について、熱く語りたいと思っております。他にも、あまりにひどすぎて逆に記憶に残ってしまった怪作もいろいろ(笑)。

 大阪近辺にお住まいで、興味がおありの方、お越しいただければ幸いです。