『ラプラスの魔』(完全版)

山本弘著 安田均原案

〈ゴーストハンター〉ラプラスの魔【完全版】

富士見書房 1600円+税

9月20日発売

>伝説のRPGノベル復活。最強のパーティーが世界を救う!

>片田舎の町の外れに立つ、幽霊屋敷で起きた惨劇の真相を追い、屋敷を訪れた女性記者モーガンが見たモノは!? 偶然に集結した最強のゴーストハンターチームが、恐るべき異世界と魔物、そして魔人ラプラスに挑む!

 1988年に出版された僕の処女長編が復刊しました。当時発売された同名のパソコンRPG(原作・安田均)のノヴェライズで、大筋ではゲームの展開をなぞってますが、細部に僕のオリジナルのアイデアがいろいろ詰めこまれています。前半は幽霊屋敷を舞台にしたホラーですが、後半は異世界SFになって、アクション・シーンがてんこ盛りです。

 久しぶりにゲラで読み返したんですけど、ぜんぜん古くなってませんね。『神は沈黙せず』なんか、今読み返すともうすっかり時代遅れになってるんですが(苦笑)、こちらは1920年代という過去が舞台なんで、時代の変化の影響をぜんぜん受けていません。今読んでも十分すぎるほど面白いと、自信を持って言っておきます。

 時代の変化というと、この頃はまだクトゥルフ神話がマイナーだったってことぐらいですかねえ。今やすっかり有名になって、「SAN値」なんて言葉がアニメの主題歌に使われるような時代ですが。

 2002年にもいっぺん復刊してるんですけど、前と同じじゃいかんだろというので、おまけとして、番外編の短編「死のゲーム」を収録しました。もともと『ラプラスの魔』の第一章として書いたけれどカットした部分を、独立したホラー短編として書き直したもので、雑誌『LOGOUT』に一度載ったきりで、どこにも収録されたことのない作品です。

 あと、11月には第2作の『パラケルススの魔剣』も復刊予定。こちらはおまけとして、描き下ろしの新作短編がつきます。お楽しみに!