この夏の総決算・その3
●8月14日(金) 〜16(土)
今回の新刊『あなたの知らないマイナー特撮の世界』。タイトル通り、ものすごくマイナーなネタばっかりの本なんで、売れるかどうか危ぶんだんだけど、なんと100部持ちこんだのが午前中で完売! 来ていただいたみなさま、ありがとうございます。
もうコミケ歴30年近くだけど、どんな本がどれぐらい売れるか読めない。これは売れるはずだと多めに刷ったけど、ぜんぜん売れなくて在庫抱えた経験も何度も。だから最近は、最大でも100部しか持ちこまないことにしてる。
まだ仕事場に在庫あるので、冬コミでも売ります。
コミケでの収穫をいくつか。
『AMECOMIX vol.1』(TEAM KAWAUSO)
マーベルのキャラクターをモチーフにしたファッション・イラスト集。コスプレではなく、普通に街に着て歩けるデザインまで昇華されている。
ほとんどは指摘されないと元のキャラクターが分からないんだけど、言われると「ああ、確かにスパイダーマンだ」とか「確かにソーだ」と分かる。このへんのさじ加減が絶妙。いいセンスです。
スカーレットウィッチやヴィジョンもかわいい。コミケ初参加だそうだけど、今後が楽しみ。
『こだわり偉人伝』(タイムトンネル)
NHKの番組のテキスト風に、SRIの牧史郎とSF作家・友野健二について語った本。
特に秀逸なのは、友野健二の(架空の)作品の書影。ハヤカワSFシリーズ、鶴書房のSFベストセラーズ、桃源社、小学館、新潮文庫……いやあ、これはよく分かってる!
万城目淳が語る友野健二の話もいいけど、牧史郎が解決した(番組中では語られなかった)事件や、「京都買います」の後日談とかも、いろんな新解釈を盛りこんでいて、想像力を刺激される。
巻末の(架空の)近刊予告には「久里虫太郎 幻の怪奇マンガ家の妄執」「真船信三 恐龍は本当に生きていたのか?」「飛鳥五郎 強化スーツのひな形を作った男」なども。なんかすげー読みたいんですけど。
『補導聯盟通信』vol.7(国民補導聯盟)
今回は「インディーズ候補関連特集」。2015年の統一地方選に立候補した候補者の中から、ぶっ飛んだ人たちを紹介。
選挙公報に「大量虐殺」「皆殺し」などと書いてあったり、自分の免許証を載せてたり、他人の名刺を載せてたり、自分の名前と「ニート 25才」としか書いてなかったり、はたまた「たかゆき」としか書いてなかったり、「日本民族史上最高頭脳男」を自称してたり、昭和天皇ブランドの立ち上げを提唱してたり、「ドクター中松チルドレン」を名乗ってたり、公約が「口内炎にならない健康緑茶の栽培」だったり、選挙広報全体をわざと上下逆にしてたり、ポスターが自分の全裸写真だったり……いやあ、こんなにたくさんいたんだ、変な候補者!
もちろん、ほとんどは落選(たいてい最下位)してるんだけど。
『硝子の屋上屋』(ドリヤス工場)
どんなアニメもゲームもマンガも水木しげるタッチに改変してしまうドリヤス工場さん。今回の新刊『助太刀血風録』は、『刀剣乱舞』と『響け!ユーフォニウム』パロを収録。
でも僕としては今年5月に出た前の本『硝子の屋上屋』をプッシュしたい。ネタは『アイドルマスター シンデレラガールズ』。水木しげるタッチのプロデューサーさんが違和感ない! 美波の顔が単純な線なのに特徴とらえてるのに感心した。あと、みくにゃんもそのまんまだ(笑)
巻末には『私家版 暗殺教室』も収録。これも違和感ないね。
『シマライブ!』(ウラシマモト)
『逆境ナイン』風の『ラブライブ!』パロ。この2作品、実は共通点多くて、このネタを考えてた人は他に何人もいたはず。でも、島本和彦氏本人に描かれたら勝てねー(笑)。
「透明アイドル制!!」には笑った。『逆境ナイン』を知ってたら楽しめる。
売り子さんの手際がいいのか、列がさくさく進み、そんなに長く並ばずに買えました。
ちなみに娘は、企業ブースで、とうらぶの公式設定資料集が買えてご満悦。