イベント「あの日テレビで見たB級SF&ホラー映画の世界」

山本弘のSF秘密基地LIVE#51

 あの日テレビで見たB級SF&ホラー映画の世界

 かつてテレビで数多くのB級映画が放映されていた時代がありました。

『火星人地球大襲撃』『恐怖の怪奇惑星』『蝿男の恐怖』『SF巨大生物の島』『妖婆・死棺の呪い』『原始怪人対未来怪人』『冷凍凶獣の惨殺』などなど、タイトルからしてわくわくさせる日本未公開作品の数々。あるいは『宇宙水爆戦』『顔のない悪魔』『タランチュラの襲撃』『人類SOS』『バーバレラ』といった50〜60年代のSF映画……ビデオソフトというものがまだ普及していなかった時代のB級映画ファンは、深夜のブラウン管に食い入るように観たものです。

 今や失われてしまった「地上波B級映画」の文化。そのブームの真っ只中で育ったSF作家の山本弘が、テレビで観た名作・怪作の数々を熱く語ります。

[出演] 山本弘

[日時] 2015年10月30日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 前売り¥1,500- 当日¥2,000-

(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

チケットのご予約はコチラ↓

http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=94123738

もしくは紅鶴・白鯨へメールで

namba_hakugei999@yahoo.co.jp

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 もう4年以上続けてきたトークショー。そろそろネタ切れかと思ってたら、こんなネタがありました。

 僕の世代だと、50~60年代のSF&ホラー映画って、劇場ではほとんど観たことなくて、テレビの放映で初めて観たものがほとんどなんですよね。『禁断の惑星』『月世界征服』『宇宙水爆戦』『宇宙戦争』『宇宙征服』『人類SOS』『蝿男の恐怖』あたりは有名だから、子供だった僕でもタイトルだけは知っていて、放映されると知るとテレビに齧りついて観たもんです。当時は家庭用ビデオなんかないですから、見逃すわけにいかない。

『バーバレラ』は親といっしょに観て、ちょっと気まずかったり(笑)。

 あと、今でこそ知ってるけど、当時は資料本なんかほとんどなくて、ぜんぜん聞いたこともない日本未公開作品がたくさんあったんですよ。『恐怖の怪奇惑星』『幻の惑星』『原始怪人対未来怪人』『冷凍凶獣の惨殺』『高熱怪物の恐怖』『戦慄!プルトニウム人間』あたりは、関西では深夜にいきなり放映されたんだけど、新聞のテレビ欄の下の方に載ったタイトルぐらいしか分からない。こんなタイトルならきっとSFものだろうな……と、見当をつけて観るわけです。結果は、当たりだったりはずれだったり(笑)。

 あと、この邦題ですね。『冷凍凶獣の惨殺』『妖怪巨大女』なんて、何だかさっぱり分かんないけど観なくちゃいけない気にさせられる(笑)。『恐怖の怪奇惑星』『原始怪人対未来怪人』『火星人地球大襲撃』あたりもタイトルに惹かれて観たけど、思いがけず面白い作品で、「こんなのがあったんだ!?」と興奮したものです。

 その逆に、地味なタイトルでびっくりすることも。『不思議な村』なんて、実物を見るまで、ゼナ・ヘンダースンの〈ピープル〉シリーズのドラマ化だなんて予想もしてませんでした。『顔のない悪魔』なんて、タイトルからすると殺人鬼の出てくるサスペンスかと思ったら、まさかあんなモンスターの出てくる映画だとは夢にも思わず(笑)。いや、喜んじゃいましたけどね。

『妖婆・死棺の呪い』は、「ソ連でこんな面白い映画が作られてたのか!?」と、目からウロコでした。むしろ、何であんなのが地上波で(確か土曜洋画劇場だったはず)放送されたのかが不思議です。

 でもまあ、そういうB級作品を山ほど観て育ったおかげで、今の僕があるんだろうなと思うんです。

 で、現代はというと、幻だった作品もほとんどソフト化されて、いい時代にはなったと思うんですが、反面、地上波で放映される映画は(ジブリアニメ以外は)最近の作品ばっかりになってしまって、昔の、それもB級作品なんてやらなくなった。だから過去のことを知る機会が少なくなって、新しいマニアが育たないんじゃないかと危惧しています。

 今回はそういう話をしようと思っています。「実はレプティリカスは空を飛べるんだぞ!」とか「『宇宙戦争』に出てくる全翼機はYB-49」とかいう話題に食いつく方、お待ちしてます。