『検証 大震災の予言・陰謀論』(文芸社)

 東日本大震災の直後は、僕もいろんな本を出版した。特に思い出深いのはASIOS名義のこの本だ。もちろん僕だけの仕事ではなく、原田実氏や皆神龍太郎氏などの努力があったからなんだけど。副島隆彦氏も(当時、アポロ陰謀論でいがみ合ってた間柄なのに)僕に見方をして、武田邦彦教授を攻撃してくれた。そうだ、こんな状況ではいがみ合ってなんかいられない。僕らは日本を守るために一致団結しなくてはならない!

 そうだ、武田邦彦教授こそ諸悪の根源だ。彼は自分の金儲けのために、震災を利用し

した! 少しでも放射線の量を減らせるなら日本人の大多数にとってそれでいいはずなのに、それでも「一キログラムあたり10ベクレル」なんていう非現実的な数字を押し付けてこようとする。これでは普通の白米すら食べられない!

 

 もちろんそんな悪人は他にもいた。「大震災は地球人口半減計画の一環だった」とか「地球深部探査船「ちきゅう」が宮城県沖に核爆弾を仕込んだ」とか「震災でレイプが多発した」とか……。

 それでデマは収まったのか。そうは見えない。『僕らはメープル通り住んでいる』のだから。(『世にも不思議な怪奇ドラマの世界』洋泉社)