9月13日(土)『ウルトラ8兄弟』

 友人たちと3人で『大決戦!超ウルトラ8兄弟』を観に行く。

 やっぱりこういうお祭り映画は、グループで観に行って、良かったにせよ悪かったにせよ、終了後にみんなで喫茶店とかに入って盛り上がるのが正しい鑑賞法ではないかと思う。

 さて、2年前の『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』はかなりいい出来で、僕もmixiで絶賛したんだけど、今回は残念ながらツッコミどころが多すぎた。終了後、3人で食事しながらこきおろし大会になってしまった。

 警告

【以下、記憶を元に、適当に創作で補って構成しています】

【ネタバレあります】

【「好きな作品をけなされたら腹が立つ」という人は最初から読まないでください。あなたが腹を立てられても責任持ちません】

「まず、あのエピローグは完全な蛇足やな! カットしてもまったく支障ない」

「『オーディーン』を実写でやるとかっこ悪いって分かりましたね(笑)」

「いや、エメラリーダ号はそれなりに見れたから」

「それ以前に、何であれを飛ばそうと思ったんや? 必然性なんもないやん!」

「ウルトラの星に行く理由もないですよね。宇宙飛行士や科学者だけならまだしも、野球選手とかパン屋とか自転車修理屋まで、家族連れで(笑)」

「だいたい、あいつらウルトラの星に行って何するの? ウルトラマンのいない世界という設定やのに、M78星雲に行ってウルトラ一族に会えるの?」

「行ったら無人の荒野やったりしてね」

「それに星雲って言うても広いのに、ウルトラの星の場所、分かるんですかね?」

「いや、それは『君にも見えるウルトラの星』て言うぐらいやから、目測で(笑)」

「いちいちワープ中断して、『あ、あっちや』って肉眼で方向確認するんですか」

「とにかく、テレビ放映時にはあのラストはカットしていただきたい。『サイボーグ009/超銀河伝説』方式で(笑)」

「あと、あの4機の中に、大気圏外に出られへんやつが……ハイドロジェネレートユニットがないと」

「いや、あれは本物のビートルやウルトラホークと違うから。きっと昔の番組を参考に、我夢が作ったんや」

「我夢が(笑)」

「何考えるかな、我夢。船飛ばすこと考えたんもあいつやし」

「あの台詞が出たとたん、嫌〜な予感はしたけどね(笑)」

「あと、今さら言うてもしかたないけど、タックスペースの窓が……」

「空気抵抗大きいうえに、視界も悪い。最悪の形状ですよね」

「小さいミニチュアなら目立たへんから許せたけど、アップでは見たくなかったなあ」

「合体怪獣の選定が間違ってる! 『どういう選考基準なのか理解しかねる』 !」

「まあ、『合体怪獣はヘボい』という伝統を守ったということで(笑)」

「そんな伝統守ってどうすんねん!? だいたい、ベースがゲスラって、どう考えても変やろ!?」

「舞台が横浜やからですかねえ?」

「『横浜と言えばゲスラ』? いや、そんな常識はないと思うけど(笑)」

「胸がヒッポリト星人というのも(笑)」

「理解できんよなあ。まあパンドンは許せるけど。だったら、これまで歴代ウルトラマンを苦しめた最強の怪獣がタッグ組んで挑戦してくることにしたら良かったんや。それやったら燃える展開になったやろ。初代マンやったらゼットンとか」

「新マンはゼットン二代目?(笑)」

「何でやねん!?」

「だったらバット星人(笑)」

「もっとあかんやろ!」

「新マンやったらやっぱりベムスターでしょ」

ゼットンベムスターやったら、『マックス』『メビウス』の着ぐるみ流用できるから安上がりやったのに(笑)」

「ああ、怪獣のソフビ売るために、最近のテレビシリーズに出てない怪獣にスポット当てようという配慮はあったんかもな。でも、シルバゴンとゴルドラスってマイナーやろ。僕、そんな怪獣がいたん、すっかり忘れてたぞ(笑)」

「『ティガ』やったらガタノゾーアあたりにすりゃ良かったのに」

「ああ、ガタノゾーアがベースやったら、造形的にバランス取れてたかもな。だいたい、合体した時のバランスが最悪やん」

「怪獣デザイン、誰なんですか?」

「えーと……(パンフレットに載っているスタッフリストを見て)あれ? どこにも書いてないぞ?」

「『美術デザイン』という役職名はあるけど、『怪獣デザイン』がありませんね」

「恥ずかしくて名前出せへんかったんかな(笑)。とにかく適当に寄せ集めただけという感じで、『これやったら僕にデザインさせろ!』って思ったな」

「合体した時のデザイン的なインパクトを狙うんやったら、他にも面白い怪獣、いっぱいいるんですけどね。ガボラとかアントラーとか。胸の真ん中にガボラの頭が付いてて、攻撃する時にがばっと開くって、いいと思いません?」

「港が舞台やったらペスターでもいいな」

ペスター、どこにくっつくんですか?」

「背中。翼になるねん」

「あの3人が昭和41年に小学生って、ぜんぜん年代が合うてないんと違います?」

「いや、エピローグで『今年は横浜開港150周年』とか言うてたやろ? つまりラストシーンは2009年なんやけど、あの時点で結婚してて子供も大きくなってるということは、10年ぐらい経ってるはずやから、あの事件はおそらく1990年代の出来事なんや」

「ええーっ!?(笑)」

「それでもやっぱり年齢合わんけどな。1966年に10歳ぐらいやったら、40歳前後でないとおかしいし」

「つじつま合わんのですよね」

「あの世界の歴史は、こっちとはずいぶん違うんやろな。おそらく、あの世界では『ウルトラマン』の主人公はハヤタという名前やないし、『ウルトラセブン』の主人公もモロボシ・ダンやないはずやし……」

「なんか、そのへんのこと深く考えてなくて、『こんなもん適当でええやん』と流してるフシがありますね」

「せっかく夕子がいるんやから、何でウルトラタッチしなかったんですかね?」

「そもそも、北斗はいつ夕子からリング渡されたん? 最初は2人で持ってたのに、いつの間にか北斗が2個持ってるし」

「まあ、夕子は元看護師として、負傷者の治療に忙しかったから……」

「でも、やっぱり思い出して、リングを届けに来る描写は欲しかったですよ。あと、アキコが『私も思い出したわ』とか言うてたけど、あんた、ウルトラマンの正体がハヤタやて知らんかったんとちゃうん!?」

「わははは、言われてみればそうやな」

「久しぶりに見たけど、我夢の演技、やっぱりつらいなあ(笑)」

「いや、テレビの頃よりはましになってますよ」

「まあ、テレビに比べりゃね(笑)」

「でも、我夢って今、劇団の座長やってるはずなんですけど」

「ええーっ!?(笑)」

「アスカは何だかんだ言うても、バラエティとかで鍛えられてるから、まだ見れるんですけどね」

「ミライもああいう天然のキャラクターやから、許せるよな」

「でも、昭和組の演技もちょっと……台詞がわざとらしいんですよね」

「いや、あれは演技というより、演出のミスやと思うな。ほら、戦いを見ながら、横一列に等間隔で並んで喋るシーンあるやん? 前作でも同じようなシーンがあったけど、その焼き直しやねん。今回は前作とは設定が違って、ウルトラ兄弟としての記憶のない一般市民なんやから、かっこつけさせんと、もっと自然体で演じさせるべきやったと思うよ」

「あのフラダンスのシーンも……」

「ああ、あれもテレビ放映の時には真っ先にカットすべきやな(笑)」

「『そうだ、今日はあの日だったんだ!』とか言うから、何かストーリー上重要な伏線かと思ったら、まったく何の意味もない。ただ挿入歌流すためだけシーンですやん」

「あと、言うちゃなんやけど、おばさん4人のフラダンス見ても、あんまり嬉しくない(苦笑)」

「最後の影法師のとこも要りませんよね」

「あそこもカットしていいと思うよ。だいたい、敵を倒したと思ったら巨大化して復活して、倒したと思ったらまた巨大な敵が現われて……って、一本の映画の中で何度もやるべきやないよね。ウルトラ兄弟が倒さんでも、巨大怪獣を倒してほっとしてたら、空に大きな影が現われて、『覚えておけ、わしは何度でも復活するぞ』と言うて消えてゆくだけで十分やと思うねん」

「それだと次回作の伏線にもなりますしね」

「だいたい、ボスキャラがあんなあっさりやられたらあかんやろ」

「なんか『帰ってきたウルトラマン』のバルタン星人Jrみたいな扱い(笑)」

「『勝負はまだ一回の表だ』(笑)」

「いきなりスペシウム光線でやられるんだよなー」

「なんかあいつ、ヤプールっぽかったですね」

「まあ、ヤプールやと前作と同じになるから、別の敵にしたんやろけど。でも、『ウルトラ』シリーズに出てくる黒幕的な敵って言うたら、やっぱりバルタンかヤプールなんだよな……」

「ブラック指令は?(笑)」

「それはあかんやろ。子供に寄ってたかって倒されるような奴は(笑)」

「だったらガルタン大王(笑)」

「もっとあかんって」

「キリエロイドでもよかったのに。それとも根源的破滅招来体とか」

「ああ、破滅将来体はいいな」

「でも、破滅招来体やったら、最後にすごくでかいのが現われますよ」

「ええやんかそれでも。今回の怪獣だって、あれぐらいのサイズやろ?」

「これは個人的なわがままやけど、我夢がようやく変身するシーンで、『ガイア』の主題歌流してほしかったなあ。『ぎりぎりまでがんばって♪』『どうにもこうにも、どうにもならない、そんな時〜♪』……って、あのシーンにぴったりやん」

「ですよね」

「だいたい何でダイゴ主役なん?」

「そりゃV6だからでしょ」

「今回、ミライがぜんぜん目立ちませんでしたよね。子供が喜ぶのはミライのはずなんですけどねえ」

「確かに。今の小学生は『ティガ』とか見てないやろしなあ……」

「考えてみりゃ、生まれる前ですもんね。だからダイゴとレナのドラマとか見せられても、俺たち大人はともかく、子供はきょとんとするだけですよ」

「さんざんけなしたから、いいところも言っておこう。まず、小ネタの数々が面白い!」

「坂田さん、やっぱり死んでたかー、とか」

「そりゃ役者が死んでますからね」

「郷は『坂田モータース』という名前を継いだんやね」

「でも、いまだに流星号作ってるんか(笑)」

「あのスケッチとか、当時の設定そのまんまですやん」

「山本さん、ミライのとこで爆笑してましたよね」

「『だったら新マン兄さん!』あれは受けたな。ミライの天然ボケ、いいわー。あと、万城目がSF作家!」

「ああー」

「元の世界ではSFが売れへんからパイロットやってたのに、こっちではテレビに出るほど有名なんやー、ってちょっと感動しました」

「俺はガイアが着地する時に、どーんと土が舞い上がるのが嬉しかったですね」

「あれ、『ガイア』からやりだしたんだよね」

「あと、最高に良かったのが、『ウルトラ作戦第一号』が大画面で見れたこと!」

「そこかよ!?(笑) まあ、ちゃんと『タケダタケダ』から入るのは嬉しかったなあ。でも、あの時代にカラーテレビがあるって、すごい裕福な家だよな」

「あと、お父さんが家にいるのに、夕方7時台に食事しながらテレビ見せてもらえるって、わが家では想像できませんよ。うらやましすぎますよ」

「ああー、うちはしょっちゅう、兄貴にチャンネル権、奪われてたなあ。『ウルトラマン』も後期のエピソードはほとんど本放送では見てなくて、再放送でようやく見たんやもん」

「アクションもいいところがいくつもありましたね」

「エースがバーチカル・ギロチン使うのが良かった」

「でも、切るの角だけか(笑)。もっとバサッと切ってくれよ」

「あと、アイスラッガーの分裂」

「あれもいいよな」

「ただ、遠すぎて、どこが切れてるかよう分からんのですよ。てっきり、怪獣をなますにすんのかと思ったのに」

「いっそアイスラッガーを巨大化させて一刀両断にしてもよかったかも。一峰大二やったらやってくれそう(笑)。ただ、やっぱり最近は切断シーンを自重して、はっきり見せへんよなあ」

「ですよね」

「バーチカル・ギロチン、好きなんやけどなあ」

「ところで次回作、やっぱりあるんかな?」

「もう『ラストで超巨大怪獣』というパターンは飽きたから、変えてほしいな」

「次は誰が主役ですか?」

「そらもう、今回出られへんかったコスモスとかネオスとかネクサスとかマックスとか……」

「誰が観に行くねん、それ(笑)」

「パワードは?」

「グレートもジョーニアスもいる」

「いっそアストラ主役とか」

「だからあかんってそれは!」