『ニセ科学を10倍楽しむ本』

 このような子供向けのニセ科学解説本が発売中です。


 以前出した『超能力番組を10倍楽しむ本』の姉妹編です。前作は超能力番組のインチキを暴く楽しみを紹介したけど、今回はニセ科学をネタに楽しんでしまいます。  上の画像をクリックして拡大すれば、どんなネタを扱っているか分かると思います。  ニセ科学に騙されないためにはニセ科学のことをよく知らなくてはいけない。「そんな怪しげなものに近づいちゃいけない」と警告するんじゃなく、むしろを積極的にニセ科学の話題を楽しむことで、ニセ科学についての理解を深めよう……というコンセプトです。  前作と同じく、中学生の夕帆ちゃんという女の子が主役。彼女がパパからニセ科学についていろいろ教わっていくという構成です。  大人が読んでも楽しめますが、子供の頃からメディア・リテラシーを身につけさせるためにも、ぜひお子さんに読ませていただきたい1冊です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【内容紹介】 第1章 水は字が読める?  夕帆ちゃんの通う中学の先生が、「水は字が読める」「〈ありがとう〉と書いた紙を容器に貼るときれいな結晶ができる」なんて、おかしなことを言いだした。  同じことを信じて子供に教えている先生は日本中におおぜいいるという。これは大問題だ! パパは学校に出かけていって、先生と話をする。 第2章 ゲームをやりすぎると「ゲーム脳」になる?  田舎からやってきたおばあちゃんが、夕帆ちゃんがテレビゲームを1日1時間やっていると知って心配する。 「それは大変! ゲームのやりすぎよ! ゲーム脳になっちゃうわ!」  学校の先生や親たちも信じているという「ゲーム脳」。それっていったいどういうもの? 本当にゲームが有害だという証拠はあるの? 第3章 有害食品、買ってはいけない  また輸入食品から基準値を超える残留農薬が発見されたというニュース。それを見て夕帆ちゃんのママはひどく心配する。 「こわいわねえ。基準値の2倍だなんて、すごく危険じゃない」  本当に残留農薬食品添加物ってそんなに危険なんだろうか。実は「危険だ」「危険だ」と騒ぐ声にだまされていないか? 第4章 血液型で性格がわかる?  友達の青葉ちゃんが夕帆ちゃんの家に遊びに来た。 「AB型の人は二面性がある」 「B型って性格がひねくれてる」  などと決めつける青葉ちゃん。  今や日本人の多くが信じている血液型性格判断。でも、根拠はあるんだろうか。そもそも言い出したのはいったい誰? 第5章 動物や雲が地震を予知する?  夕帆ちゃんの友達の勇馬くんの飼っている犬が、地震の前日になぜか騒いだという。  動物が地震を予知するというのは本当だろうか? そして地震の前に発生すると言われる「地震雲」の正体は? 第6章 2012年、地球は滅亡する?  2012年に地球が大災害に見舞われるという映画を観てきた夕帆ちゃんと勇馬くん。帰りに書店に寄ると、タイトルに「2012年」「アセンション」「フォトンベルト」などとついた本がいっぱい並んでいた。  天文学者によれば、2012年に地球はフォトンベルトというものに突入するのだそうだ。それほんと? 第7章 アポロは月に行っていない?  夕帆ちゃんの友達の流菜ちゃんが、インターネットで見つけた話をする。 「アポロが本当は月に行ってないって知ってた?」  アポロ11号の月面着陸はアメリカのでっち上げで、その証拠もいっぱいあるというのだ。  興味を持った夕帆ちゃんは、この問題について調べて、夏休みのレポートを書く。ウソをついているのはいったい誰? 第8章 こんなにあるぞ、ニセ科学  世の中にはまだまだニセ科学がいっぱいある。マイナスイオンゲルマニウムブレスレット、フリーエネルギー、ホメオパシー、反相対論、911陰謀説、インテリジェント・デザイン論……だまされないようにしなくっちゃ! エピローグ うたがう心を大切に