続・アングレーム国際漫画祭で何が起きたか

 前回の記事の続きである。

http://hirorin.otaden.jp/e309280.html

 まずは『週刊文春』『週刊新潮』の2月13日号(発売は2月6日)を読み比べてみる。

 まずは『文春』。「韓国『慰安婦マンガ祭』の許されざる全内幕」と題して、韓国の出展したマンガの内容を詳しく紹介している。

 しかし、論破プロジェクト代表の藤井実彦氏にインタビューまでしているのに、彼と幸福の科学の関係については、一切の言及なし。

 次に『新潮』。「仏のマンガ祭から締め出された『日本人グループ』の裏に『幸福の科学』」というグラビア記事。幸福実現党から出馬したトクマ氏の写真(マスコットキャラクター「トックマくん」が写っている)と、藤井実彦氏の名刺(「トックマくん」が印刷されている)、撤去された論破プロジェクトのブースの写真(「トックマくん」が描かれている)を並べて掲載。

 さらにトクマ氏にインタビューし「藤井君は僕と同じく、幸福の科学の会員だよ」「あのマスコットは僕にちなんで『トックマ』と言うんですが、彼に使っていいよって言ったんです」という証言を引き出している。

 その一方で、韓国の慰安婦マンガがどういうものだったかは、まったく触れていない。

 うーん、両方の記事を並べて互いに補完したら、公正な記事になるのになあ(笑)。

 こうして見ると、『はだしのゲン』騒動の時とは構図がまったく逆だな。あの時は、『文春』が事件のバックに在特会がいることを報じ、『新潮』はそこにまったく触れてなかった。

http://hirorin.otaden.jp/e292136.html

 次に『週刊ポスト』2月21日号。これにもアングレーム漫画祭の記事が載った。それも二つも。

 グラビア記事は「韓国「従軍慰安婦漫画」のデタラメ」というタイトルで、漫画祭に出展された韓国の漫画を「韓国お得意の“捏造プロパガンダ”」「史実とかけ離れた、根拠も何もない作り話ばかり」と紹介する内容。

 一方、本文記事の方は「韓国の反日漫画に対抗した日本側作品の「作者」を書かなかった産経新聞」というタイトルで、論破プロジェクトが幸福の科学の支援を受けた団体であること、なぜか産経新聞がそれに触れなかったことを報じている。実際、幸福の科学広報局に問い合わせたところ、漫画のフランス語翻訳に協力したことをあっさり認め、「国益に適った活動であり、全国紙が報道することも問題ない」という回答だったそうだ。

『ポスト』は産経新聞にも取材を申し込んだが、「個別の記事については答えられない」という回答だったという。

「個別の記事については答えられない」って……意味不明の回答だな。

 なんにしても、今回の件で『週刊ポスト』をちょっと見直した。

 僕としては、こちらのサイトに書かれている主張に全面的に同意する。

アングレーム国際漫画祭で何があったのか? 韓国慰安婦漫画問題を考察してみる

http://world-manga.at.webry.info/201402/article_3.html

>>>アングレームの主催者の方

>「漫画祭に政治主張を持ち込ませるな!!」

>>>韓国

>「マンガを政治に利用するな!!」

>>>論破プロジェクト

>「マンガをなめるな!!」

 まったくその通りだ。

「Aは間違ってるから対抗するBを持ち上げる」という論法は危ない。AもBもどっちも間違ってる場合があるから。

 右だろうが左だろうが、間違ってるものには「おかしい」「間違ってる」って言わなきゃいけない。

 あと、「主張が正しければ何をやってもいい」という考え方もダメだ。いくら主張が正しくても、行動が間違ってたらアウトなんだよ。