SF大会「なつこん」2日目

●2014年7月20日(日)

 ホテルの部屋で『トッキュウジャー』と『鎧武』と『プリキュア』を観てから、チェックアウトして会場へ。

●[028]Kindle Direct Publishingの真実を語る部屋

> 昨年の大会で好評を博した企画が今年もやってきます。KDPで電子書籍の出版を考えておられる方向けに、出版するとどういう情報が見られるのか、今電子書籍の市場はどうなっているのか、売れる本は? などの話題を語ります。

Gene Mapper』とかの成功例を見て、そろそろこういうのもアリかな、と思いはじめたので、話を聞きに行った。

 作家自身による電子書籍自費出版というのは、『神は沈黙せず』の中で加古沢がとっくにやってるんだけど、あれは加古沢みたいなベストセラー作家だから可能なんであって、なかなか普通の作家がこれで食っていくのは難しそう。何だかんだ言って、まだ紙の本の売り上げの方が多いのだ。

 2003年に『神は沈黙せず』を書いた頃は、数年以内に紙の本から電子書籍への転換がなだれのように起きると想定していたし、出版関係者でもそう予想していた人が多かったんだけど、現実の変化はそんな劇的なもんじゃなかった。あれから約10年。変化は進行してるんだけど、きわめて遅い。まあ、10年後にはどうなってるのか分からないけど。

 KDPで儲けるのは難しいが、今では絶版になった過去の本とか、前に同人誌で出したやつなんかをKDPで出すというのはいいかもしれない。ちょっとした小遣い稼ぎになるし、過去の作品を読みたいファンもいるだろうし。

 もっとも『ギャラクシー・トリッパー美葉』とか『サイバーナイト』とかは、昔の5インチのフロッピーに入れていて、しかもWordじゃなく新松とか使ってた時代なもんで、今はもうデータを読みこめないんである。復刊するなら自炊して、それを元に原稿を起こさなくちゃいけないけど、手間がかかりそうだなあ……。

 ちなみに『時の果てのフェブラリー』は今、電子書籍化されてるんで読めます。

http://yomel.mopita.com/yomel-store/store/item?id=65030

●[038]君は同人少女JBを見たか?

>一本木蛮『同人少女JB』(双葉社)が無事完結、「なつこん」前日よりテレビドラマ『アオイホノオ』がスタート、というこの時期に、当時の思い出を全力で振り返ります。 君も見たはず、あの日、あの人を……。

 同じ時間にサイン会があったもんで、途中から観た。

 いやあ、4巻は面白かった。82年のコミケの描写も感動したけど、『ファンロード』編集部訪問シーンでのたうち回った。2回ぐらいしか行ったことないけど、銀英社ってほんとにあんな感じだったよ。ほんとに雑居ビルのラーメン屋の上なんだよ。ほんとにリスがいるんだよ!

 終了後、一本木さんにあいさつして、「『BISビブリオバトル部』の第4話で使わせていただきました」と報告する。

 会場にいた人が「俺は『ファンロード』は嫌いだった。俺が2回投稿したのを2回ともボツにしやがったから、腹が立って読むのをやめた」と言ってたもんでも、「たった2回かよ!?」と笑ってしまった。

 僕ら常連投稿者だって、何十回もボツにされてんだよ。どういう書き方をすれば採用されるかを試行錯誤して、少しずつ掲載率を上げていったんだもの。 それでも最終的に、ハシラとかシュミ特とかに送ったネタの9割ぐらいはボツになってたと思う。

ファンロード』の投稿が、のちに作家になるための修業になったと思っている。 特に「読む側の目線に立って書く」ということを学んだ。

●カフェクラッチェ(茶話会)

 作家とファンが語り合えるという場なんだけど、この日のスケジュールが、

11:45〜12:15 池田憲章

12:30〜13:00 山本弘

 僕の横のスペースの池田憲章さんが、僕が来てもまだ話してて、僕らが終わってもまだ話してるんですけど(笑)。 いや、距離が離れてたから話の邪魔にはならなかったんだけど。

 結局、僕も終了後、池田さんのところに移動。語り合った。厳密に言うと、池田さんの語りをほとんど一方的に聞いた。だって、面白いんだもの! 海野十三や南沢十七、昔のドラマや特撮に関するうんちくが怒涛のように流れ出して止まらない

 知識量じゃ、同年代の普通のオタク3人がかりでも(いや、10人がかりぐらいでも?)、この人に絶対に勝てないよなあ。何度、「その話、本にしてください!」と頼んだことか。

 結局、池田さん、カフェクラッチェで3時間以上喋ってたんじゃなかろうか。

 関西に帰る都合があるので、閉会式を見ずに会場を出て、つくばエクスプレス秋葉原へ。

 まだ5時台だったけど、昼食を食べてなくて腹が減ってたもんで、適当に見つけたイタリアンレストランに入る。

 そしたらまったく偶然にも、隣の席に池田憲章さんが!

 ここでもまた2時間ぐらい喋っちゃったよ。僕はこの日、3時間以上、池田さんの話聞いてたことになる。

 秋葉原のオタクショップで、娘の土産に『Free!』のグッズを買う。帰りの新幹線は大雨で一時間ほど運休。家に帰ったのは11時すぎだった。