ゴーストハンター2 『パラケルススの魔剣』【完全版】
ゴーストハンター2
パラケルススの魔剣【完全版】
2376円(税込)
2014年11月20日発売
> ゴーストハンター再び集結。少女が予見した世界滅亡の未来を変えろ!
> 霊媒の少女フランカが幻視したヨーロッパの未来の姿。それは大きな炎が燃え、建物が崩れ、人が大勢死ぬというものだった。その意味を探るべく、モーガンたちは欧州を巡る旅に出発する。ホラーファンタジー第2弾。
http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321404000020
というわけで、9月に出た『ラプラスの魔』【完全版】に続いて、今度は『パラケルススの魔剣』が復刊です。
1932年のヨーロッパを舞台に、人獣の秘密結社とナチスの対立に、アトランティスの謎がからみます。僕のオカルト趣味が炸裂しているうえ、クライマックスはアクションてんこ盛り。1994年に発表された長編ですが、初めて接するみなさんにも楽しんでいただけると思います。
『ラプラスの魔』【完全版】には、おまけとして、単行本未収録の短編「死のゲーム」をつけたのですが、この『パラケルススの魔剣』では、新たに番外編の短編を書き下ろしました。ちょうど20年ぶりの新作ということになります。
50枚ほどの短編なので、派手なアクションとかやってる余裕はありません。なので、怪奇現象の謎解きをメインにした話にしようと考えました。
最初の構想では、『パラケルススの魔剣』の最後の方に出てきたイギリス人飛行機乗りスタン・メイヤーを主人公にして、彼と草壁健一郎の出会いを描こうと考えました。健一郎がスタンの助けを借りて、イギリスの空で起きる怪異を調査する……という、コナン・ドイルの「大空の恐怖」みたいな話にしようと思ったんですね。
ところが構想を練っていくうちにプロットが二転三転。うまくつじつまが合わなくて、ああでもないこうでもないといじり回しているうちに、最初の構想とはぜんぜん違う話になりました。時は『パラケルスス』の一年前、主役はまだスミスの庇護下にいた頃のフランカです。健一郎もスタンも出てきません。
書き上がったのは、『ミステリーゾーン』っぽいというか、〈ゴーストハンター〉というより〈妖魔夜行〉みたいな物語。個人的にはこういう怪異談も好きだったりします。
何にしても、20年ぶりにフランカが描けて感慨深いです。