コミケ88の新刊

 夏コミの日程が近づきましたので、今年の新刊を告知します。 8月14日(金曜日) 東3ホール サ-19a 心はいつも15才 新刊『あなたの知らないマイナー特撮の世界』 (まえがきより) ------------------------------------------ 「特撮映画」というと、ヒーローものか怪獣映画、SF映画を連想する方が多いのではないでしょうか。あるいは、せいぜい円谷英二が特撮を担当した東宝の戦争映画か。  しかし、怪獣や宇宙人は出てこなくても、すごい特撮シーンが堪能できる映画が、世界にはたくさんあるのです。  この本では、従来の特撮映画紹介からは抜け落ちていた「知られざる特撮」、特に特撮ファンの方なら堪能できるを作品の数々を紹介しようと思います。  取り上げる作品は、CGやデジタル合成が普及する前のものに限定しました。CGでどんな映像でも作れる今とは違い、限られた技術で創意工夫して作っていた時代。逆に「この時代の技術でどうやってこれ作ったんだ!?」と驚かされる、いわば「特撮のオーパーツ」とでも呼ぶべきものを再発見し、評価しようという試みです。  ストーリーや演出や俳優の演技については無視、純粋に特撮の素晴らしさだけを基準に選びました。  もちろん、特撮は動いてナンボのものなので、写真だけではイメージが伝わりにくいと思います。この本を読んで興味を抱かれた方は、ぜひ実物をご覧になってください。ソフトが発売されている作品も多いのですが、半世紀以上前のパブリックドメインになっている作品に関しては、YouTubeで検索するとたいていアップされています(僕もそれでたくさん視聴しました)。  近年の作品については、ぜひDVDやブルーレイを購入して、著作権者に還元してくださるようお願いいたします。  ここで取り上げた作品はまだ氷山の一角。他にもすごい特撮作品がいっぱい眠っているはずです。「こんな映画があるぞ」とお教えいただければ幸いです。 -----------------------------------------------  僕がもう長いこと「この特撮はすごい!」と騒いでいた『悪魔の人形』(1936)は昨年、『雨ぞ降る』(1939)は今年、日本でDVDが発売されました。どっちも英語版をVHSで持ってるのに買っちゃいました。  これも待望の『透明光線』(1936)も、もうじき出るらしいです。  でも、何が悔しいかって、日本でとっくにソフト化されてるのに、特撮ファンからぜんぜん注目されてない特撮映画が何本もあるってことなんですよ。  いい例がこの本でプッシュしてる『タルサ』(1949)です。クライマックスの油田炎上シーンのミニチュアワークが大迫力なのに、怪獣も宇宙人も出てこない映画だから、特撮ファンから完全に無視されてきた。僕も存在を知ったのは、つい去年のことです。「何でこんなすごい特撮シーンのある映画を今まで知らなかったんだ!?」と不明を恥じましたね。  あと、『フランケンシュタインの花嫁』(1935)。エルザ・ランチェスター演じる女人造人間ばかり話題になってて、前半のホムンクルスのシーンの特撮のすごさを誰も語ってくれないんですよね。観たら仰天しますよ。こんなすごい合成、80年も前にやってたんだって。  他にも、有名な作品であっても、「ジェリー・アンダーソン作品はメカだけじゃなく爆発もすごい」といった話を論じてたりします。これまでの特撮関係の商業出版や同人誌ではあまり注目されなかった話題ばかりです。特撮ファンの方にはぜひ読んでいただきたいと思います。  なおイベントのみで頒布します。一般書店での販売、通信販売の予定はありません。