『サマーウォーズ』(ネタバレなし)

 細田守監督の新作『サマーウォーズ』の試写に行ってきた。

公式サイト

 設定を読んで、「なんか『ぼくらのウォーゲーム!』ぽい?」と思ったんだけど、実際に見てみたら……。

 びっくりするほど『ぼくらのウォーゲーム!』でした!(笑)

「ええっ、こんなとこまで!?」と驚くほどよく似てる。これはもう、細田監督自身の手による『ぼくらのウォーゲーム!』リメイクと考えていいと思う。

 知らない人は気にせずに楽しめるし、逆に僕みたいに『ぼくらのウォーゲーム!』にどっぷりはまった人間なら、「うわー、来た来た来たーっ!」「やっぱりそう来るよなーっ!」と盛り上がること間違いなし。

 まあ、明らかに「それは無理だろ」「そんなことありえないだろ」というツッコミどころもいくつかあるんだけど、話が面白いのと、演出の上手さで許せてしまう。中盤にある長い横パンのカットなど、さすが「レイアウトの鬼」だ、と嘆息。

ぼくらのウォーゲーム!』の「衛星携帯ですよ!」みたいな、「そう来るか!」という仕掛けもいろいろ。特にポスターに大きく描かれている漁船が、何のために運ばれてきたかを知った時には爆笑した。

 ラストバトルも「さんざん盛り上げてきて決着はそれかよ!」「あれ伏線かよ!?」と大笑い。

 やっぱりいいのは、『ぼくらのウォーゲーム!』と同じく、日常がネットを通して地球の危機と直結してるという感覚なんだよね。 先端テクノロジーが可能にした「お茶の間ハルマゲドン」。

 現実世界の舞台は、冒頭を除くと、ほぼ長野の田舎の旧家に限定されている。世界を救うのが科学者や戦闘のプロなんかじゃなく、ただのおじさんやおばさんや少年少女たちだというのがいい。

 試写会は業界関係者で満席で、追加でイスを出さないと座れないほど。

 終了後、角川の編集者3人と、谷川流乙一を交えて食事。

 乙一くんとは初対面。「『GOTH』や『ZOO』が好きです」と言うと、「『ジェライラの鎧』が好きでした」とか言われて、こちらも大感激。僕が最初に書いたソード・ワールド小説だよ。