『MAG・ネット』第一回「初音ミク」特集

ねとすた』が終わって寂しい思いをしてたけど、代わりに面白い番組がはじまった。

MAG・ネット 〜マンガ・アニメ・ゲームのゲンバ〜

http://www.nhk.or.jp/magnet/

 第1回の特集は「初音ミク」。そう言えば『ザ☆ネットスター!』もレギュラー1回目はミク特集だったっけ。

 β版の『ラブプラス』特集もなかなかだったんだけど、今回のミク特集も好印象。初心者向けにミクについての初歩的知識をおさらいする一方で、マニア向けのサービスも忘れない。

 まずは3月9日にお台場で行われた「ミクの日感謝祭」ライブの映像。集まったファンが緑のサイリウムを振りまくる中、舞台上で歌い踊るミク。

 スクリーンプロセスというやつで、立体映像じゃないんだけど(さすがに科学はそこまで進歩してない)、本物のファンたちと同じ空間にミクが存在してるというのは、『マクロスプラス』みたいで、センス・オブ・ワンダーな映像。

 もっとも、会場に行ったファンからは「ニコ生で見たかった」という声があったとか。あー、確かに画面にコメントが流れないのは物足りないかもな(笑)。でも、そんな時代はすぐに来るよ。ツイッターとARを組み合わせればね。

 番組内では、「ワールドイズマイン」や「恋するVOC@LOID」がワンコーラス、他にも「みくみく菌にご注意♪」「ぽっぴっぽー」などのさわりがいくつか流れた。

「恋するVOC@LOID」は、『初音ミク』発売からわずか13日目に登場、オリジナル曲としては初のミリオン再生(だったはず)を記録した名曲である。

 番組では、その作者、OSTER projectさんが顔出しで登場。

 女性だったのか!(驚)

 僕も「ミラクルペイント」とか好きなのに、今まで知らなかったよ。今年の春、大学を卒業して、音楽の道に進むのだそうだ。

 さらに第4回MMD杯受賞作品「Chaining Intention」PVの作者、まさたかPが登場。こっちは顔を隠してる。通信販売をやっている会社の若社長なんだそうで、プロになる気はまったくないという。

 それにしても、MMDの力を借りているとはいえ、1年半前まで映像制作をまったくやったことのないアマチュアが、趣味でこんなもんを作ってしまうとは……つくづくすごいと思う。まさたかPも、この時代も。

 さらに番組内では、OSTER projectさんが即興で作ったジングルに、まさたかPが動画をつけるという、夢のコラボが実現。これはニコ動ファンには嬉しい。やるね、NHK。

 それにしても、ミクを足がかりにプロを目指す人と、あくまで趣味でミクを楽しむ人、対照的な二人を上手く選んだと思う。

 他には、話題になった等身大ミクロボットを作ったみさいるPも登場。作業風景が興味深かった。

 野尻抱介(SF作家)戸田誠司(音楽家濱野智史(情報環境研究者)の3氏のトークも面白かった。

 濱野氏は、キリスト教圏の宗教画を初音ミクの2次創作にたとえる。「神は初音ミクみたいもの」(実体はないけどすがりたい)と考えると、あれだけたくさんの宗教画が描かれた動機が理解できるというのだ。

「ミクは神」じゃなく、「神はミク」という発想。うん、分かりやすい。

 野尻氏の「不老不死のアイドルに人類は初めて直面した」という発言もSFマインドを覚えた。さすが野尻さん。

 だよねー。ミクっていろんな意味で、人類史にとって画期的なムーヴメントだと思うよ。

 他にも、ニュースのコーナーで、痛車フェスや「美人すぎる書道家」と並んで、「非実在青少年」の問題をちらっと取り上げていた。さすがにNHKの立場としては、表立って反対派の擁護はできないだろうけど、多くのメディアが無視する中、ちゃんと取り上げていただいただけでありがたい。

 見逃した方は、4月9日(金)深夜24:20〜(BShi)にて再放送があるので、そちらでどうぞ。

 これからの放送予定は、

第2回 4月11日(日)

 特集「マンガ大賞2010」

第3回 4月18日(日)

 特集「マイマイ新子と千年の魔法

 おおう、片渕監督が出るのなら見なくては。