「FBI超能力捜査官」が透視したオウム逃亡犯
前に告知した「超常現象に迫る!オカルト番組を10倍楽しむ教室」の体験講座が、昨日、神戸新聞文化センターで開かれました。
http://hirorin.otaden.jp/e269356.html
今回のメインは『FBI超能力捜査官』シリーズのウソ暴き。前に『超能力番組を10倍楽しむ本』や『と学会年鑑BROWN』とかでもやりましたけど、あれで全部じゃないんですよね。他にも山ほどウソがあるんです、あの番組。
この日は開催場所にちなんで、神戸を舞台に、ジョー・マクモニーグルが行方不明の女性(北朝鮮への拉致が疑われている)を捜索する回(2005年4月10日放映)と、大阪を舞台に、麒麟の田村裕の父親の居場所を探す回(2007年9月25日放映)を紹介しました。どちらも、マクモニーグルの描いた地図が実際の地図とぜんぜん合わないのを、スタッフが何とか合ってるように見せかけている小細工が笑えます。
また、昨年のASIOSのイベントでもやりましたが、2005年4月10日放映の『FBI超能力捜査官』第8弾の中で、当時まだ逃亡中だったオウム真理教の菊地直子と高橋克也の行方を透視するくだり。
マクモニーグルは、菊地直子の写真を見てこう言います。
マクモニーグル「この女性はターゲットとしてふさわしくありません。もう死んでいるからです。おそらく1996年に死んでいます」
高橋克也については、
マクモニーグル「彼が今いる場所を強く感じます」
(島の地図を描きはじめる)
マクモニーグル「この場所にいる。日本ではない。東南アジアの小さな島。彼はここにいる」
マクモニーグル「彼は山の中の小さな村で暮らしている。テロリストの組織……もしくは海賊などに匿われている」
マクモニーグルが描いた島の地図を、司会のみのもんたが「これ、すごい似てない?」と言って、インドネシアの地図と比較してみせます。
みのもんた「この湾になってるとこと、この島が……はっはあ、驚きましたね、これ」
しかし画面上では、地図にぼかしがかかっていて、本当に島の形が一致しているのかどうか分かりません。
でも、地図と比較してみると、みのもんたが指さしている位置は、ジャワ島の東にあるスンバワ島であることは間違いありません。
はい、実際のスンバワ島を見てみましょう。
http://maps.weblio.jp/content/%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AF%E5%B3%B6
これっぽっちも似てねーよ、みのさん!
思うに、これは最初から放映ではぼかしを入れる前提で、スタッフがみのもんたに「すごい似てない?」と言わせたんじゃないでしょうか。いくらみのもんたの目が節穴でも、これを「似てる」と思うはずがない。
たぶんスタッフは「いちいち世界地図と見比べるようなヒマな視聴者なんていやしない」と侮ったんでしょうね。いや、僕みたいな視聴者もいるんですけど(笑)。バカにされたもんです。
この番組にはナンシー・マイヤーとジョン・オリバーも出演していて、やはり菊地直子の写真を見て透視します。
マイヤー「この写真からは彼女(菊地直子)が生きているという反応が感じられません。亡くなっています」
オリバー「彼女(菊地直子)は彼(高橋克也)と行動を共にしていません。なぜなら彼女はすでに殺されていて、大きな山の中に埋められています。富士山です」
というわけで、「菊地直子はすでに死んでいる」というのが、3人の「FBI超能力捜査官」の一致した見解でした。
実際はどうだったか、みなさんご承知の通りです。
この「超常現象に迫る!オカルト番組を10倍楽しむ教室」、他にもオカルト、心霊写真、UFOなどを扱ってゆく予定です。写真じゃなく動画でないとよく分からないネタもあって、本にしづらいネタも多いです。
詳しい情報・お申し込みは、神戸新聞文化センターまで。
(直リンクはできないので、画面右の「講座で探す」から、「山本弘」または「超常現象」で検索してください)