『タブーすぎるトンデモ本の世界』
すみません、8月はむちゃくちゃ忙しかったもんで、ブログの更新サボってました。
ちょっと一段落したんで、たまってたネタ、どっと行きます。
まずは先月出た本の紹介から。
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タブーすぎるトンデモ本の世界
と学会・著
本体1500円+税
と学会が「日本のタブー」に挑む!
天皇の霊言からキリスト教と浣腸、食品添加物やオスプレイ、人権啓発アニメや放射能デマ、在特会、君が代、サンカやフリーメイソン、慎太郎閣下の問題作まで、「豪華」なトンデモ世界を堪能ください!
「タブー」とされるものは本当にタブーか? 皇室や宗教、右翼・左翼、ヤクザ、病気と食から、政治と差別、芸能界やオカルトまで、「アブナイ」作品を厳選してツッコミを入れます!
※目次
まえがき――タブーなき時代のタブーとは?(山本 弘)
「昭和天皇の妹」を困らせた男
『昭和天皇の妹君』(河原敏明)――原田 実
「本来ならば宮内庁を通していただかなければ……」(雅子妃守護霊)
『明治天皇・昭和天皇の霊言――日本国民への憂国のメッセージ』(大川隆法)
『保守の正義とは何か――公開霊言 天御中主神・昭和天皇・東郷平八郎』(大川隆法)
『皇室の未来を祈って――皇太子妃雅子さまの守護霊インタビュー』(大川隆法)
『今上天皇 元首の本心――守護霊メッセージ』(大川隆法)――稗田おんまゆら
宮内庁管理の宝物をめぐるミステリー
『正倉院の謎』(由水常雄)――原田 実
『キリストの健康法――エッセネ派の平和福音書』(エドモンド・B. セイケイ著 後藤浩司訳、大鞆一功、兜光明、赤木厚史、太田早苗、尾藤章共著)――クララ・キイン
人間と動物の死闘の裏には、ある事情が……!
「日本人が一人もいなくなってもかまわぬ」と語る「天照大神」
『天照大神のお怒りについて――緊急神示 信仰なき日本人への警告』(大川隆法)
『天照大神の御教えを伝える――全世界激震の予言』(大川隆法)――稗田おんまゆら
『わたしの真理実践記』(アレフ)――かに三匹
コラム「Y染色体を守れ!」「側室制度の復活を!」――皇室をめぐるトンデモ説(山本 弘)
第2章 右翼・左翼・任侠・人権問題等を扱ったトンデモ作品
ネットでも右翼でもない「ネット右翼」とは?
『ネットと愛国』(安田浩一)――山本 弘
勝手に勝負! 左右、説得力のあるのはどちらか!?
『知っておこう! 日本の国歌 君が代』(原作=五十嵐直詞)
『マンガ 日の丸・君が代 おしえて! 大地先生』(原作=こじゅりん・K、作画=白六郎)――新田五郎
これを読めば、あなたも抗争仲裁ができる!?
『任侠 盃事のすべて(上)(下)』(村上和彦)――新田五郎
学校裏サイトや同和問題を取り上げた意欲は買うが…どこかずれた人権啓発アニメ
『声を聞かせて』(製作 北九州市、制作 グループ・タック)――かに三匹
第3章 医療と食を扱ったトンデモ本
アニメーターの体験した奇妙な世界
『ボクには世界がこう見えていた』(小林和彦)――山本 弘
病気の原因がどれも主観的すぎる!
『電磁波過敏症』(大久保貞利)――川口友万
添加物扇動家の懲りない本
『なにを食べたらいいの?』(安部 司)――寶来 誠
第4章 政治・時事・差別問題を扱ったトンデモ本・映画
トンデモ架空戦記が優秀賞!
「『日本は負けていない』〜超経験者しか知らない史実〜」(サー中松義郎博士)――山本 弘
オスプレイ配備の安全性
『オスプレイ配備の危険性』(真喜志好一[沖縄平和市民連絡会]、リムピース+非核市民宣言運動・ヨコスカ)――寶来 誠
菊池山哉の再評価を阻む最大の壁
『余多歩き菊池山哉の人と学問』(前田速夫)――原田 実
残酷すぎる北朝鮮アニメ
三流エロ映画とケネディ暗殺の意外な関係
『Hot Blooded Woman』(監督=デイル・ベリー)――寶来 誠
コラム おススメのサンカ本(皆神龍太郎)
コラム トンデモ放射能デマの世界(山本 弘)
第5章 芸能界・文壇・オカルトのトンデモ作品
「次男の件ではまことにジャンキーの念に堪えません」
『太陽になれない月 P.S. I Love You』(三田佳子著、H. ジャクソン・ブラウン, Jr.原作)――クララ・キイン
発情期ノブテル検査・恥辱のエベレスト大滑降
『真実の性教育――学校では教えない人間の性』(石原慎太郎)――クララ・キイン
UFOと本番シーンをワンカットに収めるのがテーマのAV
『UFO 未確認淫行映像』――唐沢俊一
あとがき――無知が差別を生む(山本 弘)
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『トンデモ本の世界』と言いつつ、『ネットと愛国』『ボクには世界がこう見えていた』のような真面目に読むべき本も取り上げています。むしろ在日コリアンや統合失調症に対する差別の実態の方が、危険なトンデモなんですけどね。
ちなみに「嫌韓レイシストたちの奇妙な世界」と「トンデモ放射能デマの世界」は、このブログに書いたことを書き直したものです。
逆に真性トンデモと言えるのが、ドクター中松のハチャメチャ論文「『日本は負けていない』〜超経験者しか知らない史実〜」。ネットで読めますので、ミリタリーに詳しい方、笑ってください。
本書の意図を誤解されないように、まえがきから引用しておきます。
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まえがき
タブーなき時代のタブーとは?
SF作家・と学会会長 山本弘
今の日本にタブーなんてあるんだろうか?
編集者から「日本のタブー」というテーマを貰ったとき、最初に生じたのがこんな疑問だった。確かに今でも、テレビや新聞では取り上げない話題は多いし、いわゆる「放送禁止用語」もたくさんある。しかし、インターネットにはそんな規制はない。掲示板やツイッターではものすごい量の差別発言が飛び交っていて、誰でも読める。雑誌や書籍では、皇室に対する不敬な発言が平然と活字になっている。かつてはこそこそ話されていた性の話題だって、今ではおおっぴらに語られている。
取り上げてはいけない題材なんて、もはやないように思える。
確かにタブーを破るのは気持ちがいい。「放送禁止用語」を口にするのはスリルがある。暴論を述べたり、ルールを無視したり、外国人や政治家や大企業や有名人を罵倒すると、すかっとする。だからこそ、多くの人がタブー破りにのめりこむ。
中には、その快感を「正しさ」や「正義」と混同している人も多いんじゃないかと思う。
もちろん、打破しなくてはならない古いタブーもたくさんある。しかし、「タブー」=「悪」とは限らないし、「タブーを破ること」=「正義」というわけでもない。ネットで流れた「テレビや新聞が取り上げない情報」が、実はデマだったという例は、数えきれないほどある。中には、きわめて悪質な誹謗中傷もある。「タブーを破ること」によって、誰かの人権や尊厳が踏みじられたり、健康や財産に被害が生じたり、差別が助長される場合もあるのだ。
タブーにされてきた話題には、触れてはいけない何らかの理由があったわけで、何でもかんでも破ればいいというものじゃない。
本書の中では、これまでタブーとされてきたたくさんの話題を取り上げている。その多くは、秘密というわけではなく、書籍やインターネットで誰でも読めるものである。タブーになっていたことが明らかに間違いである例もあるし、逆に、タブーを破る側が間違ったことをしている例もある。どのタブー破りが正しく、どれが間違いなのか、あなた自身の目で判断していただきたい。
決して「タブーを破る快感」にまどわされないように。