退院しました

 今月はイベントの告知が遅くなって申し訳ありません。

 実は今月の3日から入院してたんですよね。退院したのはつい昨日です。

 数年前から身体がふらつき、時には道で転んだりしました。それも何度も。特に階段の上り下りが怖くて、手すりを持ちながら、びくびくして上るようになってました。

 また、もの忘れが多くなって、特に会話中や執筆中などに、人名などの固有名詞が出てこないことがよくあったんです。

 転びやすいのは事故に直結しますし、記憶に障害が出るのは作家にとって致命的です。そこで病院に行って、MRIなどで検査をしてもらいました。

 結果は「正常圧水頭症」の疑いが濃いとのこと。脳内の髄液の量が通常より多くなり、脳を圧迫する病気です。放置しておくと認知症に似た症状を呈します。

水頭症と正常圧水頭症

「認知症だから」とあきらめるその前に・・・治療で改善できる認知症iNPH

(誤解を招かないよう、必ずリンク先をお読みいただくようお願いします)

 先月、検査のために短期間、入院しました。脳内の髄液は脊髄を通って腰まで流れているので、試しに背中に針を刺し、脊髄から髄液を抜いてみました。すると症状の改善が見られたので、正式に正常圧水頭症と診断されました。

 幸い、この病気は「治る認知症と呼ばれています。簡単な手術で完治するからです。

 その方法はL-Pシャントと呼ばれるもので、脊髄にカテーテルを埋めこみ、髄液を常に腹腔内に少しずつ流すことで、圧力を一定に保ちます。

 圧力が下がりすぎるのも問題なので、小さな弁で圧力を調整できるようになっています。いったん埋めこんだ後は、調整には手術は必要なく、外部から磁石を使って操作するのだとか。すごいですね、現代の科学。

 今月3日から入院、5日に手術しました。腹と背中を少し切ったのですが、手術の直後は手術跡がかなり痛んで、上半身を起こすのにも苦労しました。

 咳をするたびに腹筋が刺されるように痛むのにも参りました。咳って実は腹筋を使ってたんだと初めて気づきました。

 しばらくは頭もぼうっとしていました(圧力が急に下がったからかもしれません)。やはり、咳をするたびに頭に響きました。

 幸い、どちらの症状も数日で急速に軽減していきました。

 12日も入院していましたが、退屈はしませんでした。もちろん病室で電話を使うのは厳禁ですが、スマホツイッターはできました(今月3日から13日朝までのツイッターmixiでの僕の発言は、みんな病室から発信したものです)。本もたっぷり持って行きましたし、もちろんテレビも観られました。ベッドの上で、ポメラで原稿も書きました。

 そうそう、モバマスもやってましたよ(笑)。おりしもシンデレラガール総選挙の真っ最中。もちろん結城晴に投票券を注ぎこみまくってました。晴、かっこいいよ、晴。

 あと、最近の病院食は味にも気を遣ってるんだそうで、まったく不味くはなかったですね。さすがに1週間も経つと妻の料理が恋しくなってきましたが。

 一昨日、抜糸。昨日、退院できることになりました。

 現在、まだ少し腹の痛みはありますが、普通に生活できるレベルです。頭もまだほんの少しだけ重い印象がありますが、それも少しずつ良くなっていて、今は意識しなければ気づかないほどです。

 あと、歩行がすごく楽になってます。歩く時の姿勢からして根本的に違ってるんです。前は猫背でよたよた歩いてたんですが、今は背筋をしゃんと伸ばしてまっすぐ歩くことが、意識せずに自然にできるようになっています。階段の上り下りも不安はまったくありません。本当に劇的な変化です。これだけでもかなり嬉しいです。

 僕と同じような症状の方、もしかしたら正常圧水頭症かもしれないので、一度病院で診てもらうといいですよ。治りますから。

 というわけで、今やまったく健康に問題ありません。ご心配なく。

 退院した昨日から、さっそく仕事場に復帰しています。バリバリ書いて、仕事の遅れを取り戻さなくてはいけませんから。