イベント:人工知能は人類を滅ぼす!? 今、本気で語る「AI(アイ)の物語」

山本弘のSF秘密基地LIVE#57

人工知能は人類を滅ぼす!? 今、本気で語る「AI(アイ)の物語」

 人工知能が将棋の名人を負かした。人工知能が小説を書いた。人工知能ヒトラーを礼賛した……

 このところ頻繁にAI(人工知能)をめぐるニュースが飛びこんできます。シンギュラリティ(技術的特異点)──進化を続けるコンピュータの能力が人間を上回る日の到来も、さほど遠くないとされています。そうした話題はもはやSFではなく、科学者の間でも真剣に検討されています。

 シンギュラリティが来たら世界はどうなるのか? 

 自我に目覚めたAIが邪悪な存在になることはないのか?

 AIの知性とはどういうものなのだろうか?

 そもそも人間には知性があると言えるのか?

 最新科学の成果と、古今東西のSF作家が描いてきたAIについての物語を参考に、もうすぐそこにある未来について考えてみようと思います。

[出演] 山本弘

[日時] 2016年4月22日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  

(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 予約はこちらから。

http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=100662798

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 すみません。昨日まで入院していたもので、イベントの告知が遅くなってしまいました。

 最近、人工知能の話題、特にシンギュラリティを扱ったノンフィクション本が何冊も出ていて、もうこういう話題はSFじゃなく現実になってきてるんだなと、しみじみ感じます。たぶん2040年代あたり、まだ僕らが生きているうちに来そうなんですよね、シンギュラリティ。楽しみなような怖いような。

 でも、専門的な話題は科学者の方におまかせして、SF作家である僕は、おもにSFの中で描かれてきたロボットや人工知能の進化について語りたいと思ってます。SF作家が描いてきた様々な人工知能の物語を読むことで、来るべきシンギュラリティで何が起きるかを予想する、その手助けになるんじゃないかと思っています。

 たえば先日、人工知能が書いた小説のニュースがメディアを賑わせましたが、あの時、ツイッターでは野?まど『小説家の作り方』(メディアワークス文庫)に言及している人が何人もいました。いやあ、あれは衝撃的な作品でしたね。SFだなんてぜんぜん知らずに読みはじめたら、まさかあんな話だとは。

 また、マイクロソフトが開発していたAIが差別発言を連発し、ヒトラーを礼賛したというニュースでは、僕と同様、星新一「ボッコちゃん」を連想した人が多かったようです。

 他にも、古くはジョン・W・キャンベル「最終進化」(1932)、イアンド・ビンダー「ロボット市民」(1939)、マレイ・ラインスター「ジョーという名のロジック」(1946)、ジャック・ウィリアムスンヒューマノイド』(1948)、フレドリック・ブラウン「回答」(1954)、エドマンド・クーパー『アンドロイド』(1958)、星新一『声の網』(1970)などを経て、最新の作品まで、いろんなパターンを紹介しつつ、論じていこうと思っています。もちろん僕の作品『神は沈黙せず』『アイの物語』『去年はいい年になるだろう』『地球移動作戦』「時分割の地獄」などの裏話もたっぷりします。お楽しみに。