盗作されました〔4〕
さて、僕はここまでの文章を、実は数か月前にすでにほぼ書き上げていました。しかし、騒ぎ立てることをためらい、ずっとしまいこんでいました。
腹は立ちましたが、アンチがネットで暴れるのはいつものこと。前述の小説についても、ほとんど読まれていないようです。確かに盗作はされましたが、大きな害を受けたわけでもないし、騒ぐとかえって話題になって、相手を利することになりかねない。ここは我慢した方がいいのでは……と迷っていました。
しかし、間違いでした。下手に情けをかけ、野放しにしておいてはいけなかったのです。
この@ichinoseyayoiというのはどういう人物か。ちょっと長くなりますが、おつきあいください。
https://twitter.com/ichinoseyayoi?lang=ja
見ての通り、2016年10月に登録。時期的には、先の小説を書き上げ、カクヨムに投稿した直後ということになります。フォロワー数2。
ツイートの内容は大半が僕に関するもので、自分の日常のことなどはほとんどつぶやいていません。僕への批判のために作られたアカウントなのは明白です。
Togetterにたくさんのまとめを作っていますが、ほとんどが僕に関するものです。しかも、ある話題について、ほとんど同じ内容のまとめをいくつも作っています。
https://togetter.com/id/iciinoseyayoi
(彼は頻繁にまとめを作ったり消したりしており、これらのまとめもいずれ消されるかもしれません)
読んでみると、この人物、僕の著作やブログをものすごく読みこんでるんですよ。『サイバーナイト』や『妖魔夜行』シリーズの頃から読んでいて、現在〈SFマガジン〉に連載中の『プラスチックの恋人』まで目を通しているようです。こんな熱心な読者、めったにいません(笑)。おそらく「40歳男性」というのも嘘ではないと思います。10代の頃から僕の小説を読みはじめたんでしょう。
でもその内容は、僕の意見に同調しているように見せかける一方で、ちょっとした発言を取り上げてしつこく批判を続けるという矛盾したものです。ストーカーによくあるタイプの、深い愛情が何かのきっかけで憎悪に変化したというパターンではないかと推察されますが、よく分かりません。
たとえば、こんな中傷をしていました。
親を敬うことを教えることがオカルトであることを山本弘が簡単に説明する
https://togetter.com/li/1105029
僕は「親を敬うことを教えることがオカルトである」なんてバカなことを言ったことはありません。実際の僕の発言はこうです。
お父さんお母さんに孝行しなさいとか、兄弟仲良くしなさいとか、友達とは互いに信じ合いなさいとか、そんなことを教えるだけなら、それこそ『ちびまる子ちゃん』でもいいじゃない。紙芝居でも、人形劇でも。
なのになぜか、子供には意味不明の呪文である教育勅語を教えたがる人たちがいる。
どうも彼らは、教育勅語には魔力があると信じているらしい。子供にとっては意味不明の呪文であっても、それを暗記させて暗唱させることで、子供は正しく育つと。
あのー、それってオカルトですよ?
ご覧のように、僕は「お父さんお母さんに孝行しなさいとか……そんなことを教えるだけなら、それこそ『ちびまる子ちゃん』でもいいじゃない。紙芝居でも、人形劇でも」と言っています。親を敬うこと自体を否定などしていません。子供に教えるべきだと言っています。でも、子供に意味不明の呪文を暗記させるのはオカルトだと言っているんです。これはどう解釈したって、「親を敬うことを教えることがオカルト」という意味にはなりません。
もっともTogetterでも2ちゃんねるでも、タイトルだけで内容を読まずに判断する者はよくいます。そういう人間をひっかけるために、本文の内容と異なるタイトルをつける者も。この場合も、嘘のタイトルをつけることで、僕が「親を敬うことを教えることがオカルト」という珍説を唱えたことにして、炎上を企んだのではないかと思われます。
在日特権とビブリオバトル小説
https://togetter.com/li/1079744
ビブリオバトルが東京都では教育に取り入れられ、「教師達は僕のビブリオバトル小説を参考にしてほしい」と山本弘が語り、その中で安田浩一が取り上げられていることで、安田浩一の在日特権の本が注目を浴びてるらしいと2ちゃんねるに書いてあったので色々まとめてみる。
これなんかも炎上を狙った印象操作ですね。これを読んだら誰だって、『BISビブリオバトル部』の中に安田浩一氏や在日特権についての本が取り上げられていると勘違いするでしょう。
実際には『BISビブリオバトル部』シリーズの作中で、安田浩一氏の名前が出てくるのはたった一箇所です。
「実は安田浩一さんの本を使おうと思ってたんですが……」
「やめておけ。それこそ真正面からぶつかるだろ」
──『翼を持つ少女』5章
在日特権については、5章でたった2ページしか触れていません。他にもこの小説には、『フェッセンデンの宇宙』をはじめとするSF作品や、『アンネの日記』などのノンフィクション本、『不確定性原理』などの科学解説本、マンガ、アニメ、日本酒、輸入食品の安全性、ウミウシ、仮面ライダーなどなど、いろいろなうんちくがびっしり詰めこまれているのに、@ichinoseyayoiはそれらを都合よく無視するのです。
@ichinoseyayoiが注目するのは在日特権の話ばかり。しかも、ほとんどが『BISビブリオバトル部』ではなく、安田浩一氏の著書からの引用です。こんなまとめに「在日特権とビブリオバトル小説」などというタイトルをつけ、事情を知らない第三者に誤解するように仕向けるのは、いったいどういう意図なんでしょうか?
実際にあった話を大幅に改ざんし小説で他人をさらし上げる老人の話。
https://togetter.com/li/1066219
これなんかも地道ないやがらせですね。実体験をコメディにアレンジして小説に書いたら、「こんなことありえないよな」と僕を嘘つき呼ばわりです。
その主人公に対してそのおじいさんは反論しました。
その反論に対して主人公は沈黙し逃げ出しました。
というのも何のことやら。僕はまったく覚えがありません。妄想なんでしょうか?
他にも、@ichinoseyayoiが作ったまとめの悪質さを指摘しはじめたら、きりがありません。ほとんどは「いちゃもん」としか言いようがない代物ですが、それを本当にしつこくしつこく繰り返すのです。
正直言って、@ichinoseyayoiのスタンスは支離滅裂で、その思考はまったく理解できません。筋の通ったモデルを構築しようにも、できないんです。本人は自分が理性的であるかのように思っているようなのですが。