昨日の『漫勉ネオ』は星野之宣が出てた

 やはり今の日本の漫画界について語るなら、『漫勉ネオ』は欠かせないと思う。単に漫画の話をするんじゃなく、漫画家がそのテクニックのすべてをつぎ込んだ漫画を、ごく短時間で描き上げるのだ。僕らのような漫画の素人にとっては、奇跡を見ているようである。

 昨日は『ブルーシティ』で名高いベテラン漫画家の星野之宣がゲスト。これがすごかった。いや「すさまじい」というべきか。

 とにかく下書きの絵からすごい。キャラクターの顔なんかちっとも描いてない! ほんの少しの「あたり」と呼ばれるラインを引いているだけ。「本当にこれが漫画になるの?」と疑問に思えるほど。

 しかも、下書きの次に描かれているのが、複雑な構図の絵だったりするんだから、まるで魔法のようである。最終的に途方もないスケールの絵が描き出されてゆくのだ。それも、ほんの数時間で! それもコピーだのスクリーントーンだのはまったく使わずにだ!

 いやー、参った。絵の上手い漫画家は数多いが、その中でも星野之宣は群を抜いてる。まさに「神」という感じなのだ。

 若い頃に『ブルーシティ』にはまった者としては、至福の時間だったよ。