『相棒』ですげえトリック

 僕の最近のお気に入りは再放送の『相棒』である。今日のスペシャル「穢れある悪戯 身代金五億円をバラまけ!」には驚嘆した。トリック自体がすごかったわけではない。ストーリーのもっていき方がすごかったのだ。

 犯人はラストで杉下右京にトリックを見破られるんだけど、その後でとんでもない展開になる。常識で考えると有り得ない展開。プロパビリティーの殺人てのはミステリーではよくあるけど、こいつはプロパビリティーすら超越してる。普通の人間には思いつきもしないし、ましてや実行しようとしない殺人なんだから!

 もちろん杉下でも追い詰めることはできなくて、犯人には不満足な結末を強要するしかないんだけど。確かにこれでは殺人罪に問うこともできない。

 こんなすげえ事件を思いついただけでも、僕はこの作品のシナリオライターを称賛する。もしかしたら本職の推理作家さんにも称賛されているかもしれない。芦辺拓さんとかね。今度、芦辺さんに尋ねてみよう。