この夏のお仕事

 長いことこのブログを放り出していて申し訳ない。7月後半から9月にかけて、とてつもなく忙しかったのである。

 最大の難物は、トンデモ本シリーズの新作、『トンデモ本の世界W』(楽工社)の執筆である。

 ほんとは7月頃から取りかからなきゃいけなかったはずなのだ。でも、『SFマガジン』の連載『地球移動作戦』の単行本化のための加筆作業の仕事が降ってきたのである。9月頃からのんびりかかればいいかと思っていたら、「出版スケジュールの関係があるので8月10日までに上げてください」と言われてしまったのだ。

 二つの仕事がバッティング。僕の本職は小説家で、と学会の本はあくまで副業だと考えている。やはり小説の仕事を優先したい。だもんで、悪いけど楽工社の編集さんには泣いてもらった。ごめんなさい。

『地球移動作戦』は結局、締切を何日も遅らせて入稿。連載分に100枚以上書き足したうえ、細部にもいろんな書き直しを加えている。

 それが終わったら今度は夏コミ。初参加の娘を連れて3日間、東京へ。

 だもんで、ようやく取りかかった『トンデモ本の世界W』の原稿は、遅れを取り戻すために、連日、猛然と執筆。最後の方は1日2本のペースで上げなくちゃいけなかった。

 死んだ。

 さすがに1日2本はきつい。トンデモ本シリーズの原稿は、いちいち資料を調べなくちゃいけないものもあるから、小説よりもずっと手間がかかるのである。

 しかも今回、僕以外のメンバーの執筆量が少なかった。やはり志水さんと植木さんが抜けた穴は大きい。それを埋めるために、大半は僕が執筆するはめになったのだ。一部の原稿は、このブログに書いた文章を流用して手抜きしたんだけど、それでも多かった。

 僕の担当分の分量を計算してみた。全部で21本。合計197ページ。『トンデモ本』シリーズのフォーマットは22字×17行×2段だから、これを400字詰め原稿用紙に換算すると……。

 約360枚!

 その間に平行して、30枚の短編1本と90枚の中編1本を書いている。計480枚。長編1本分ぐらいある。これを20日間で書いたことになる。

 うわー、事前に分量を計算しなくて良かったわ(笑)。こんな分量だと知ってたら、最初からやる気なくしてるぞ。

 1日平均24枚ぐらいのペース。普段の僕は1日10枚前後がせいぜいだから、その2倍半ぐらいのペースで書いたことになる。

 仕事は執筆だけじゃない。合間には『地球移動作戦』の戻ってきたゲラのチェックもしなくちゃいけなかったのだ。これがまた400ページ以上あった。ゲラチェックは飛ばし読みというわけにはいかないから、全部に目を通すだけで半日はかかる。しかもそれを初校と再校で2回やった。

 疲れるわけだ。

 しかも、元はと言えば自分のスケジュール管理が甘かったのが原因だから、誰も責められない。

 一日中パソコンに向かっていると、ストレスがたまる。

 僕の場合、よく咽喉が渇くもんで、何かいつも飲んでないといけない。だもんで、原稿書きながら、麦茶やらウーロン茶やらコーヒーやらミルクティーやらコーラやらスポーツドリンクやら栄養ドリンクやらを飲みまくってた。

 さらに、ストレス発散のためにポテトチップスを1日2袋ぐらい食ったり、「いかん、シュークリーム分が不足してきた」と、コンビニにシュークリームを買いに走ったり、昼食を食ってる時間ももったいないので、コンビニで買ったサンドイッチやフランクフルトで済ませたり……。

 これは健康に悪い。むちゃくちゃ健康に悪い。たぶんこの20日間で余命がかなり縮んだ。

 ようやく原稿をすべてアップし終えた後は、ぐったりとなって、何日も仕事をする気になれなかった。書いたのは洋泉社の『東宝特撮大全』の原稿ぐらい(ちなみに僕の担当は『妖星ゴラス』『宇宙大戦争』『世界大戦争』の3本)。

 仕事しないで何をやってるかというと、ニコ動で『化物語』や『咲―Saki―』のMADを漁ったり、気分転換に『生徒会の一存』のパロディを書いたりする毎日(笑)。今は『アイドルマスター ディアリースターズ』にハマってます。ああ、涼ちん、健気でいいなあ。

 こんなにサボっていると、結局、月産ペースはほとんど変わらない。しんどい思いをするだけで、あんまり得はないんだよねえ。

 今度からはこんなペースで書かないようにしようと、心に誓う。締め切りに間に合うよう、原稿は早めに書きはじめます、はい。