『ハヤカワ文庫SF総解説2000』
『ハヤカワ文庫SF総解説2000』
小さい写真だとよく分からないでしょうけど、この表紙、ハヤカワ文庫SFの表紙がばーっと並んでるんですよ。
〈SFマガジン〉に三回分載された企画をまとめたもの。帯には「文庫創刊から現在まで2000点の書影・書誌データ」を全収録」とあるけど、正確には『ターザン』シリーズで未刊に終わったのが4点あるので、書影は1996点です。
僕以外には、こういう豪華執筆陣。
縣丈弘、秋山完、東浩紀、天野護堂、池澤春菜、石和義之、いするぎりょうこ、礒部剛喜、乾石智子、卯月鮎、榎本秋、海老原豊、円城塔、大倉貴之、大迫公成、大野典宏、大野万紀、大森望、岡田靖史、岡本俊弥、小川一水、岡和田晃、オキシタケヒコ、忍澤勉、小田雅久仁、尾之上浩司、尾之上俊彦、小山正、風野春樹、片桐翔造、香月祥宏、勝山海百合、鼎元亨、樺山三英、川又千秋、菊池誠、北原尚彦、木本雅彦、日下三蔵、久美沙織、倉田タカシ、coco、五代ゆう、小谷真理、小林泰三、酒井昭伸、堺三保、坂永雄一、坂村健、笹本祐一、佐藤大、佐藤道博、塩澤快浩、下楠昌哉、新城カズマ、水鏡子、鈴木力、スズキトモユ、瀬尾つかさ、関竜司、添野知生、代島正樹、高槻真樹、高橋良平、立原透耶、巽孝之、田中啓文、タニグチリウイチ、東野司、飛浩隆、鳥居定夫、酉島伝法、中野善夫、中藤龍一郎、中村融、七瀬由惟、鳴庭真人、難波弘之、二階堂黎人、仁木稔、西崎憲、西田藍、西村一、野崎六助、野尻抱介、橋本輝幸、長谷敏司、林譲治、林哲矢、東茅子、東雅夫、福井健太、福江純、福本直美、藤井太洋、藤田雅矢、藤元登四郎、船戸一人、冬木糸一、冬樹蛉、古山裕樹、片理誠、細井威男、細谷正充、牧眞司、増田まもる、丸屋九兵衛、宮風耕治、深山めい、六冬和生、森晶麿、森下一仁、森奈津子、八代嘉美、八杉将司、柳下毅一郎、山岸真、山本弘、YOUCHAN、遊山直奇、ゆずはらとしゆき、横道仁志、吉上亮、吉田親司、吉田?一、渡邊利道、渡辺英樹
どんなSFがあるかだけじゃなく、誰がどの本をどういう風に紹介しているかを見るのも楽しい一冊。「ほう、やっぱりあの人はこの作品が好きなのか」とか、逆に「えっ、この人がこれを推薦する!?」という意外性があって面白いです。 二階堂黎人さんが〈ペリー・ローダン〉シリーズと〈ターザン〉シリーズを紹介してたり、田中啓文さんが〈ドック・サヴェジ〉紹介してたり。
僕が紹介したのはこうした本。
ラインスター『青い世界の怪物』
ヴァン・ヴォクト『地球最後の砦』
ローマー『突撃!かぶと虫部隊』
ウィリアムスン『航時軍団』『パンドラ効果』
ホワイト『宝石世界へ』
シュミッツ『悪鬼の種族』
キャンベル『暗黒星通過!』
クラーク『天の向こう側』『前哨』『10の世界の物語』『明日にとどく』『楽園の日々』
クラーク&バクスター『過ぎ去りし日々の光』
マッコーラム『アンタレスの夜明け』
モフィット『木星強奪』
スティス『マンハッタン強奪』
アンダースン&ビースン『臨界のパラドックス』
いやあ、執筆者間の競争がきびしかったです(笑)。人気のある作品はたいてい先に誰かに先に取られてるんですよ。イーガンもソウヤーもベイリーもホーガンもティプトリーも好きなんだけど、1冊も取れませんでした。
クラークは短編集が意外に人気がなくて、僕にかなり回ってきたんだけど、本当は『渇きの海』がいちばん好きなんですよね。ストルガツキーの『ストーカー』とか、ハリスンの『テクニカラー・タイムマシン』とかも書きたかったなあ。 レムの『星からの帰還』や、シェクリイの『人間の手がまだ触れない』、ムーアの『暗黒神のくちづけ』も。
このうち、他に書き手がいなくてしかたなく引き受けたのは、『地球最後の砦』と『暗黒星通過!』ぐらい。他はどれも面白いです。『宝石世界へ』 は「夢幻潜航艇」がすごく影響受けたし、『サイバーナイト』の艦隊戦のシーンは『アンタレスの夜明け』 に刺激を受けたもの。あっ、もちろん『時の果てのフェブラリー』のヒントは『ストーカー』です。
それにしても、『青い世界の怪物』『航時軍団』『悪鬼の種族』あたりに立候補者がいなかったのが、ちょっと驚き。面白いのに!
まあ、『突撃!かぶと虫部隊』や『マンハッタン強奪』あたりは、僕しか褒める人間はいないかなという気がするんですが(笑)。