美少女はいくらいたぶってもかまわない(もちろん、フィクションでだけど)

 脳梗塞のせいで、あまり最近の小説は読まない僕だけど、つい最近、すごく面白い小説を読んだのでその話をしたい。

『小学生刑事』!

 作者の方は以前からの知り合いなんだけど、この作品ではペンネームを使っていて本名を隠している。だもんで、僕も正体をばらしてはまずいと思い、ここでは名前をばらすのを控えることにする。まあ、読んでいれば「ああ、さすがはIさんだなあ」と愛読者なら気づくんだろうけど。

 内容はタイトルそのまんまである。主人公の八代ヒメは身長百十五センチのどう見たって小学生の女の子。でも、スーパーパトカーを乗り回し、いきなりヤクザの大物をぶち殺す大活躍を見せる!

 表紙からギャグ作品を想像すると大間違い。徹底してクールでヴァイオレンスな描写の連続で、息つく間もないほど。すごいな、これは。堪能しました。

 

 ところで気になったのはヒメの描写。そもそもヒメが実際は何歳ぐらいなのかがよく分からないのだ。それに女の子が主人公の作品なのに、ヒメが一度もヌードにならないのだ(笑)。そこが気になったので作者にメールで尋ねてみた。

 そうしたら驚くべき回答が返ってきた。本当はヒメは裸にする予定だったのだが、編集部に止められたのだという。編集者が「一般向けなので、幼女はハダカにするな」と言うのだそうな。

 

 そう言えば『BISビブリオバトル部』の中で、最近はポルノも苦しいらしくて、女子高校生を出すシーンでも、必ず十八歳にしろというシバリを書いた。まさかそんなことが忍び寄っているとは。

 そんなの言い出したら『チャリス・イン・ハザード』を書いてる僕なんかどうなる(笑)。チャリスは何回も全裸にされてるぞ。いや、服を着てるシーンのほうが少ないぐらいだ(笑)。

 いや、処女作である『時の果てのフェブラリー』だってヤバい。あと『サーラの冒険』の中のサーラとデルの初体験シーンとか……。

 こいつはヤバい。これも「インディアナポリス問題」のひとつだ。作家の書ける範囲がどんどん狭まっている! これはみんなで考えなくちゃいけない問題だ。

 

 しかし『小学生刑事』の作者のIさんは、こんなことを書いてくれた。

「続編出たらゃんとハダカ出します! 人身売買組織に捕まりそうになったり、潜入捜査でアイドルの卵になって枕営業したり、男湯に乱入して銃撃戦をしたりしますので!」

 おお、そいつは楽しみだ!

 編集者としては、子供に有害なことをやらせた場合の悪影響を心配しているのだろう。だが、子供に悪影響を与えることを心配するより、まったく子供に悪影響を与えないことを心配すべきではないか。この現実世界では、今も子供に対する犯罪が起きている。だからこそ、子供に対する犯罪には、フィクションの中で強く抗議すべきではなかろうか。

 ちなみにチャリスはフィクションの中の悪には容赦しない。子供を殺す相手は、毎回百人以上もぶち殺してます(笑)。