『地球移動作戦』の名前の秘密

『地球移動作戦』は僕が書いたSFの中でもとりわけ奇妙な作品であろう。何せ登場人物名がみんな僕の過去の作品のもじりになっているのだから!

 なぜそんなことを思いついたのか。考えてみれば「時分割の地獄」という作品で登場人物した「真野ゆうな」というヒロインをまた出してみたかったのがきっかけだ。ゆうなというキャラクターにはぜひ、もう一度登場させたい。でも『地球移動作戦』の世界観はぜんぜん「時分割の地獄」と違いすぎる。さて、どうしたもんかな……と考えているうち、名案がひらめいた。

「ゆうなだけではなく、これまでの僕の創造したキャラクターをみんな出せばいいんんだ!」

 いやあこれは燃えました! 元はと言えば手塚治虫先生が開発したテクニック。違うマンガであってもアトムや御茶ノ水博士やアセチレン・ランプを出していいというやつ。そう、どんな作品でもかまわないんだ。要は面白ければ!

 どういうキャラクターを出すかでさんざん悩んだ。たとえば最初の方に出てくるケニア出身の物理学者フランの名は同人誌作品『チャリス・イン・ハザード 脅威の少女核爆弾』からとった。なんでそんなにわかりにくいものから取るんだよ! でもチャリスと女の子どうしで恋に落ちるキャラクターなもんで、ぴったりの役だったと思うよ。

 ヒロインの名前は『美葉』だけど他にもいろんなライトノベルのネタがいろいろ。『サーラの冒険』『妖魔夜行』『アイの物語』『ラプラスの魔』とかのネタがぎっしり。はあ、疲れた!  

 ても懐かしかったのも事実。

 一番かっこ良かったのはジェノアPかな? サーラの敵役なんだけど、いかにもジェノアという感じで本当に良かったね。

 ああそうだ、なぜかチャリスを出すのを忘れてた。フェブラリーとかも。