『非実在少女のるてちゃん』観てきた

 先日紹介した『非実在少女のるてちゃん』を観てきた。

 面白かった!

『朝まで生ゴヅラ』も面白かったけど、あれの数倍、笑えた。展開がものすごくスピーディで、ダレる間がない。素早い場面転換(役者がくるっと回るだけで場面が変わってる)そのものがギャグになってる。

 題材が題材だけに、濃いネタやアブないネタも飛び交う。実在のマンガのタイトルがぽんぽん飛び出すし、明らかに実在の人物をモデルにしたキャラクターが何人も出てくる。

「漫画の神様」はもちろんあの人。非実在青少年の定義をのるてちゃんが訊ねる時の、「幼女のように見えるけど実は大人の奇形嚢腫の女の子」「9歳の女の子がキャンディーを舐めて大人に」「蔵の中に閉じこめられた女の子が近親相姦」というネタの3連発には爆笑した。

 何と言っても圧巻は、後半の表現規制推進派と反対派の討論のシーン。キャラクターが入れ代わり立ち代わり主張をぶつけ合う中で、この問題に関する主要な論点がほぼ完璧に網羅されているのに感心した。作者の方、すごく勉強したなあ。

 しかもこの討論が、ちゃんとエンターテインメントになってるんである。端々に隙あらばギャグが入っていて、確実に笑わせてくれるのだ。

 さらに感心するのが、そのギャグの多くが、元ネタとなった発言が実際にあること。「穴という穴に突っこまれてるんです」とか「ジャニーズも乳首が映ってたら児童ポルノ」とか「メールは開く前に分かる」とか「ロリコン認知障害者」とか、知らない人が聞いたら作者の創作かと思うかもしれないけど、本当にそういう意味のことを言ってる人がいるんだもんなあ。「アンケートを黒塗りにして発表」というのも実際にあったことだし。 もちろん、いちばん笑えたのは都知事でしたが(笑)。

 つまり舞台を見て笑いながら、規制推進派の主張がいかにおかしいものかが分かる仕組み。いや、恐れ入りました。

 もっとも、推進派だけが笑われてるわけじゃなく、反対派の方でも、BL好きの女教師とか獣姦好きのマンガ家とか2次元しか愛せない少年とか、笑えるキャラばっかりなんだけど。

 もちろんマンガやアニメのパロディもいろいろ。たびたび出てくる『まど☆マギ』パロ(キュゥぶうのインパクトすげえ!)もおかしかったけど、クライマックスで展開される数分間の『エヴァ』パロが見事。げらげら笑えるけど、最後はなぜか感動しちゃうのだ。

 日程はあと2日しかないけど、未見の方にはおすすめしておきます。