『これが基本だ!リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』

アメコミ情報誌SleepWalker#18

『これが基本だ!リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』(アメコミ向上委員会)

 SF大会で買った同人誌。アメコミ向上委員会の同人誌はよく買ってるけど、資料的価値は高い。特に昔のアメコミのプロット、現在までつながる設定のルーツを紹介してくれていて、いろいろ勉強になる。

 今回はDCのヒーロー・チーム、リージョン・オブ・スーパーヒーローズの話。1958年の『ADVENTURE COMICS』247号の初登場時のエピソード(最初は『スーパーボーイ』のゲストキャラだった)から、63年までの軌跡を追っている。

 記念すべき初登場時のエピソードのライターは、『ロボット市民』で知られるSF作家のイアンド・ビンダー。途中、いくつかの回では、スーパーマンの生みの親であるジェリー・シーガル自身が書いている。

 そして『ADVENTURE COMICS』306〜308号のライターは、あのエドモンド・ハミルトン

 ハミルトンがアメコミのシナリオを300編以上書いていたのは知っていたが、どんな話を書いていたか初めて知った。

 リージョン・オブ・スーパーヒーローズに入れてもらえなかった落ちこぼれのヒーローたちが、補欠チーム「リージョン・オブ・サブスティチュート・ヒーローズ」を結成して、本家リージョンの裏で活躍するという話。

 リージョンに新たに加入した謎のヒーロー、ミステリー・ラッド。仲間たちにも秘密にしているその能力とは何なのか……という話。

 死んだと思われていたライトニング・ラッドが復活したと思われたが、実は……という話。

 どれも設定の隙間をうまく突いてきたな、という印象。何せ30世紀のヒーローチームで、活躍の場の多くは宇宙だから、スペースオペラ作家ハミルトンの面目躍如という感じがする。

 うーん、ハミルトンが書いた他のエピソードも知りたいなあ。『バットマン』もかなり書いてたらしいんだけど。

 あと、アルフレッド・ベスターもアメコミのシナリオを書いてたそうだけど、どんな話だったか知りたいよね。